インハウスWebデザイナーはどうだった?6人が感じた制作会社との違いと、担当した仕事

明るいオフィスで抽象的なWebページのレイアウトを表示したモニターに向かう大人の後ろ姿 キャリア・転職

事業会社のインハウス(社内)Webデザイナーとして働いた6人の記事を確認すると、制作会社から移った3人は、ほかの部署と近く施策の反応まで追える、納期を調整しやすい、残業が減ったといった違いを書いていました。一方で、社内にデザイナーが少なく相談やフィードバックを得にくいこと、専門用語や有料ツールの必要性をほかの職種に説明することも挙げています。社内の異動や未経験からの転職でインハウスになった人は、古い仕組みのサイトや複雑なWordPressに苦戦したと書いています。

この記事では、6人の経歴、制作会社との違い、インハウスで担当した仕事、苦労したことを整理します。体験は本人の申告で、確認はしていません。1人は勤務先の採用情報への案内がある本人のnote、1人はスクールの卒業生インタビューで、今の職場を良く見せる面があります。働き方は会社ごとに違い、6人の記事だけでインハウス全体を判断することはできません。

この記事で分かること

  • インハウスWebデザイナーになった6人の経歴
  • 制作会社から移った人が感じた違い
  • インハウスで担当した仕事と、苦労したこと
  • 移る前に確かめたい5つのこと

結論:6人の体験の比較

6人の記事を一覧にしました。本人の投稿か、本人の回答が分かれたインタビューです。

事例 インハウスになるまで 担当した仕事 良かった点と、苦労した点(本人の記載)
事例1 IT会社で開発4年、整体師3年のあと、社内の異動でWeb担当に Webデザインとコーディング、商品ページ、BtoB向けのLP 更新が反映されない問題、1万行を超えるCSSに苦戦。1年でできることが増えた
事例2 制作会社の正社員を2社経験し、事業会社のアルバイトに(約3か月) 社内の各部署と連携した制作 施策の反応まで追え、納期を調整しやすい。デザイナーが少なく相談相手が少ない
事例3 Web制作会社から、マーケティング部門のインハウスに(入社約3年、うち産休・育休1年) 自社サービスとコーポレートの制作 ほかの部署と近く、家族との時間も大切にできる。前職では残業や徹夜で体力の限界を感じた
事例4 広告制作会社に約3年、事業会社に移って数か月 印刷物、ロゴ、アイコン、LP、バナー 月の残業は10時間未満に。フィードバックを得にくい不安
事例5 中小企業でインハウスのWeb職に(約10年) サイトの更新、検索順位の管理、CMSの導入の企画 手作業の順位の記録やCMSのない更新を、提案で変えた
事例6 カフェで約6年半働き、Webデザインを学んで約5社に応募 コーディング約8割、デザイン約2割(入社約8か月) 複雑なWordPressの構造の把握に最初の1〜2か月苦戦

6人とも本人の投稿か、本人の回答が分かれたインタビューで、本文を確認しました。残業時間や担当の範囲は本人の申告で、確認はしていません。事例3は勤務先で働く本人の個人noteで、最後に勤務先の採用情報への案内があり、事例6はスクールの卒業生インタビューで無料相談への案内があり、今の職場やスクールを良く見せる面があります。事例2・4は移って数か月の時点の記事です。6人は公開記事から選んだ例です。

事例1:社内の異動でWeb担当に。1万行を超えるCSSに苦戦した

筆者はIT会社で開発を4年、転職先で整体師を3年経験したあと、社内の異動で2019年3月からWebデザインとコーディングを担当したそうです。[1]

1年目は、更新が反映されないキャッシュの問題、1万行を超えて手入れしにくいCSS、経験のない商品ページやBtoB向けのLPに直面したと書いています。調べること、CSSの組み直し、同じような種類のサイトの観察、基本の構成の学習をして、1年でできることが増えたと振り返っています。[1]

社内の異動でWeb担当になり、今あるサイトの仕組みの問題に向き合った例です。成果の数字、給与、年齢、担当の体制は書かれていません。整体の会社でWeb制作を社内で行うようにした例で、ほかの会社にそのまま当てはまるとは限りません。2019年12月の投稿です。

事例2:制作会社2社のあと、事業会社でアルバイトのインハウスに

筆者は制作会社の正社員を2社経験したあと、事業会社でアルバイトのインハウスデザイナーになって約3か月だそうです。制作会社では、複数の案件、先輩からのフィードバック、厳しい納期を経験したと書いています。[2]

インハウスでは、社内の各部署と連携し、施策の反応まで追える一方で、デザイナーが少なく相談相手が少ないこと、専門用語や有料ツールの必要性をほかの職種に説明する場面があると書いています。自社の案件では、納期の調整がしやすくなったそうです。[2]

制作会社とインハウスの両方を経験し、違いを比べた例です。今はアルバイトで、移って約3か月の記事です。勤務時間、給与、会社の規模は書かれておらず、本人も会社ごとに違いがあることを前提にしています。2026年4月の投稿です。

社内の打ち合わせテーブルで抽象的なWebページを表示したノートパソコンを囲む複数人の手元
打ち合わせのテーブルでノートパソコンを囲んで話す様子のイメージ(AI生成画像)

事例3:残業や徹夜で体力の限界を感じ、約2年迷って転職した

筆者はWeb制作会社でWebサイト、LP、バナーを担当したあと、インゲージのマーケティング部門でインハウスデザイナーになり、投稿の時点で入社約3年(うち産休・育休が1年)だそうです。[3]

前職では、納品したあとの使われ方や改善点を知りにくく、コンペで公開されない制作や、残業・徹夜に体力の限界を感じたと書いています。約2年迷ったあとに転職し、自社サービスとコーポレートの制作を幅広く担当しているといいます。飽きる不安がなくなり、ほかの部署との距離が近く、家族との時間も大切にできる働き方を選んでよかったと書いています。[3]

制作会社での働き方に限界を感じ、迷った末にインハウスに移った例です。残業時間、給与、年齢は書かれていません。勤務先で働く本人の個人noteで、今の職場を肯定的に紹介し、最後に勤務先の採用情報への案内があります。2025年6月の投稿です。

事例4:23時30分の帰宅が続いた制作会社から。残業は月10時間未満に

筆者は広告制作会社で約3年働き、事業会社のインハウスデザイナーに転職して数か月だそうです。制作会社では23時30分に帰宅する日が続き、体調を崩したこともあったと書いています。[4]

今の会社では社内で調整できるため、月の残業は投稿の時点で10時間未満になったといいます。一方で、周りのデザイナーが減り、フィードバックを得にくい不安もあるそうです。印刷物、ロゴ、アイコン、LP、バナーを担当し、マーケターと施策を直接話し合えるのが楽しいと書いています。[4]

働く時間は減ったが、フィードバックの少なさに不安もある例です。移って数か月の記録で、忙しい時期はまだ経験していません。前職と今の職場の各1社を比べたもので、業態全体には当てはめられません。2025年10月の投稿です。

コードを思わせる判読不能な色付きの行を表示したノートパソコンを操作する手元
コードのような画面を表示したノートパソコンを操作する様子のイメージ(AI生成画像)

事例5:インハウスで約10年。手作業の更新を提案で変えた

筆者はインハウスのWeb職に移って約10年で、中小企業に入社したころを振り返っています。検索順位を手作業で記録し、CMSのない状態でHTMLを更新し、Adobeのソフトが重い性能の低いパソコンを使っていたそうです。[5]

費用と減らせる作業時間を示して順位を確かめるツールを提案し、CMSを入れる企画書で上司たちを説得し、パソコンの入れ替えも社内の承認を経て実現したといいます。本人によると、5年後にはライターが自分で記事を更新できるようになり、作業が減ってアクセスも増えたそうです。[5]

デザイン以外に、社内の仕組みを変える提案をしてきた例です。アクセスが増えた数字や、提案との因果、会社の規模、給与は書かれていません。古い時期の特定の会社の環境で、今の一般的な姿とは限りません。記事には本人の旅行メディアへの案内があります。2025年1月の投稿です。

事例6:カフェから未経験でインハウスに。仕事の約8割はコーディング

長谷川さんはカフェで約6年半働き、そのうち約3年半は副店長だったそうです。体力の面を考えてWebデザインを学び、約5社に応募して2社から内定を得たと答えています。[6]

システム開発の会社のインハウスWebデザイナーとして入社して約8か月の時点で、仕事はコーディングが約8割、デザインが約2割で、週5日出社しているそうです。複雑に手が加えられたWordPressの構造をつかむのに最初の1〜2か月苦戦しましたが、調べながら作れる範囲が広がり、PHP、JavaScript、CSSの理解も深まったと話しています。[6]

インハウスでも、デザインよりコーディングが中心だった例です。給与や長く続けられたかは書かれていません。スクールの公式サイトの卒業生インタビューで、無料相談への案内があります。2025年12月の投稿です。

6人の体験から編集部が整理した、インハウスで見えた点

6人の記事を並べると、次の3つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、6人の記事だけで、インハウスと制作会社のどちらが良いかを断定することはできません。

  • ほかの部署と近く、反応まで追えると書いた人がいた:事例2は施策の反応まで追え、事例3はほかの部署との距離が近く、事例4はマーケターと直接話し合えると書いています。[2][3][4]
  • 相談相手やフィードバックの少なさを挙げた人がいた:事例2はデザイナーが少なく相談相手が少ないこと、事例4はフィードバックを得にくい不安を書いています。[2][4]
  • デザイン以外の仕事も多かった:事例6は仕事の約8割がコーディング、事例1は今あるサイトの仕組みの問題、事例5は社内の仕組みを変える提案を担当していました。[1][5][6]

Webデザイナーとして入社したあとの体験はWebデザイナーに転職後のギャップ|未経験で入社した6人の1年目と乗り越え方、フリーランスの1年目はWeb制作・Webデザインのフリーランス1年目は?でまとめています。

インハウスWebデザイナーを目指す前に確かめたい5つのこと

ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

インハウスWebデザイナーを目指す前に確かめたい5つのこと:社内のデザイナーの数、仕事の中身、今あるサイトの仕組み、働く時間、ほかの職種との関わり
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. 社内のデザイナーの数:相談やフィードバックをもらえる人が社内にいるかを確かめます。
  2. 仕事の中身:デザインとコーディングの割合や、サイトの更新、印刷物など、担当する範囲を確かめます。
  3. 今あるサイトの仕組み:CMSの有無や、古いコードを手入れする仕事があるかを確かめます。
  4. 働く時間:残業の時間や、忙しい時期があるかを確かめます。
  5. ほかの職種との関わり:マーケターやほかの部署と、どのように話し合って進めるかを確かめます。

未経験からWebデザイナーへの転職は未経験からWebデザイナーへ転職できる?、職業訓練やスクールを終えた人の仕事探しはWebスクール・職業訓練を終えた7人の仕事探しは?で紹介しています。

よくある質問

インハウスと制作会社のWebデザイナーは、何が違いましたか?

制作会社から移った事例2・3・4は、ほかの部署と近い、施策の反応まで追える、納期を調整しやすい、残業が減ったといった違いを書いていました。一方で、相談相手やフィードバックの少なさも挙げています。どれも1社ずつの比較です。

インハウスWebデザイナーは、どんな仕事をしていましたか?

Webデザインとコーディング(事例1・6)、自社サービスとコーポレートの制作(事例3)、印刷物、ロゴ、LP、バナー(事例4)、サイトの更新や仕組みの改善の提案(事例5)などでした。事例6は仕事の約8割がコーディングでした。

未経験からインハウスWebデザイナーになれますか?

6人の記事からは言えません。事例6はカフェから未経験で学び、約5社に応募して2社から内定を得たと答えていますが、スクールの卒業生インタビューです。事例1は社内の異動で、事例2・3・4は制作会社での経験があり、事例5は入社前の経歴を書いていません。

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