ドライバー・配送からWeb・ITへ移った7人の体験|エンジニア5人、Webデザイナー1人、マーケティング営業1人のきっかけ・学び方

トラックの運転席に置いた手袋と、窓辺の机に開いたノートPC キャリア・転職

トラックやタクシーの運転、配送の仕事をしたあとにWeb・ITの仕事へ移った7人の記事を確認すると、移ったきっかけとして書かれていたのは、長い残業と勤務時間、体力的に長く続けられないという不安、将来の仕事への不安、配送中にシステムの障害に対応する人を見たことなどでした。移った先は、インフラやクラウド、開発のエンジニアになった5人、Webデザイナーになった1人、Webページや販促を考えるマーケティング営業になった1人です。

この記事では、7人のきっかけ、学び方、仕事探し、移ったあとの仕事を整理します。7人のうち6人は、スクールや転職サービス、勤務先が載せたインタビューで、うまくいった人の例が選ばれやすい面があります。経歴、応募の数、収入は本人の申告で、確認はしていません。7人とも、転職して働いている人の公開記事で、移れなかった人や途中でやめた人、応募した人全体の数は含まれていません。この7人から、移れる割合や難しさ、同じ進め方でうまくいくかは分かりません。

この記事で分かること

  • ドライバー・配送の仕事からWeb・ITに移った7人のきっかけ
  • スクール、職業訓練、資格の勉強などの学び方
  • 応募の数と、移ったあとの仕事
  • ドライバーからWeb・ITに移る前に確かめたい5つのこと

結論:7人の体験の比較

7人の記事を一覧にしました。本人の投稿か、本人の回答が分かれたインタビューです。

事例 運転・配送の仕事と、きっかけ 学び方と仕事探し 移ったあと(本人の記載)
事例1 トラック運転手を10年。月80〜100時間の残業で心身が疲れた スクールの課題をポートフォリオにし、制作会社3社に応募。3社目が未経験可 Webデザイナー。バナー、サイト、紙、看板。年収は下がったが時給は上がった
事例2 4トントラックで全国に配送。20代後半に将来の仕事に不安 心理学を学んで広告に関心。未経験可の求人に応募し、1社目は書類で不採用、2社目で採用 マーケティング営業。Webページや販促を考え、部下2人を育成
事例3 2022年に新卒でタクシー運転手。手に職や成長への不安 ITパスポートを勉強中と面接で話し、インフラの会社へ。その後TOEIC 835点 1社目の仕事はIT事務に近かった。3社目の外資系企業でインフラエンジニア
事例4 ルート配送のトラックドライバー。体の疲れで辞める先輩を見て不安に 以前からPCやガジェットに関心。学び方と応募の方法は書かれていない クラウドの営業とエンジニアを3〜4年。2023年1月から今の会社でAWSを中心にインフラを担当
事例5 20代にトラックドライバー。体力と33歳ごろの年齢への焦り 職業訓練校でSQL、C言語、Javaを学んだ SES、スタートアップを経て、2022年1月から今の会社でWebインフラを担当
事例6 自動車整備士を経てトラック配送。配送中にシステム障害に対応する人を見た オンラインのインフラのコース(平日コースを2か月)。群馬県の会社を希望し、紹介を受けた ITインフラの会社に就職。入社2週目から簡単なサーバーの作業
事例7 大手配送会社の法人部門で8年、配送と営業。報告書やチラシ作りが楽しかった プログラミングスクールに通い、スクールの紹介で入社 エンジニアとして入社3年目(投稿時点)

7人とも本人の投稿か、本人の回答が分かれた記事で、本文を確認しました。経歴、応募の数、収入は本人の申告で、確認はしていません。事例1・6はスクール、事例2は転職サービスの記事で、受講や相談、応募への案内があります。事例4・5・7は勤務先の採用や広報のインタビューで、今も働いている人の例です。どれも、うまくいった人の例が選ばれやすい面があります。事例3は本人の投稿で、キャリアについての本人の助言も含みます。7人とも転職して働いている人の例で、移れなかった人の例は含まれていません。

事例1:残業100時間のトラック運転手から、Webデザイナーに

楠元諭史さんは、運送会社でトラック運転手を10年経験し、月80〜100時間の残業と、8時ごろから23時ごろまでの勤務で、心身が疲れたと答えています。[1]

スクールで学び、受講中の課題をポートフォリオにして、制作会社3社に応募したそうです。未経験可だった3社目に入社し、今はバナー、Webサイト、紙のデザイン、看板のデザインと施工を担当しているといいます。前の仕事より年収は下がりましたが、時給は上がり、本業では残業をしていないと答えています。[1]

課題をポートフォリオにして、未経験可の会社に入った例です。転職後の年収の額、働き方の形、在籍の期間は書かれていません。スクールの運営サイトの卒業生インタビューで、セミナーへの案内があります。2026年4月の投稿です。

事例2:長距離ドライバーから、マーケティング営業に

大地晃平さんは、長距離ドライバーとして4トントラックで全国に配送し、20代後半に将来の仕事の選び方に不安を感じたと書いています。趣味のSNSの動画配信で人生相談をしたときの失敗をきっかけに心理学を学び、広告やマーケティングに関心を持ったそうです。[2]

未経験可の求人を探し、1社目は書類で不採用、2社目で採用されたといいます。公開の時点では、Webページや販促の進め方を考えるマーケティング営業と、部下2人の育成を担当していると書いています。[2]

趣味の失敗から学び始めた分野を、仕事につなげた例です。デザインや開発ではなく、マーケティングの営業職です。転職サービスの体験記で、サービスの利用への案内があります。収入は書かれていません。2021年9月の投稿です。

事例3:新卒でタクシー運転手。資格の勉強を話してITへ

アンドレアさんは、2022年に新卒でタクシー運転手になり、手に職がないことや成長への不安から、IT業界に移りたいと考えたと書いています。面接では、ITパスポートを勉強していることと、IT業界に移りたい理由を話し、インフラを扱う会社に転職したそうです。[3]

その会社には2023年7月から2025年3月まで在籍しましたが、本人の整理では、仕事はエンジニアよりIT事務に近かったといいます。そのあいだにTOEICで835点を取り、オンラインの日本語教師として英語を使って説明する経験も積み、3社目の外資系企業で、英語を使うインフラエンジニアとして働いていると書いています。[3]

最初の会社の仕事はエンジニアではなく、その後に英語と組み合わせて職種を移った例です。応募の数、給与、会社名は書かれていません。投稿の時点で26歳の個別の例で、記事のなかの若い人の採用についての話は本人の意見です。2026年5月の投稿です。

サーバーラックの前の机で、ノートPCに入力する手元
サーバーラックの前で作業する様子のイメージ(AI生成画像)

事例4:ルート配送から、クラウドの営業とエンジニアへ

多田さんは、最初の仕事が、各家庭に商品を届けながら周りの家に新規の契約の声をかけるルート配送のトラックドライバーだったと答えています。体の疲れで辞めていく先輩を見て将来に不安を感じ、以前からPCやガジェットに関心があったこともあり、ITに移ったそうです。[4]

クラウドの会社のパートナー企業で、クラウドの営業とエンジニアを3〜4年経験し、2023年1月に今の会社に入ったといいます。今はAWSを中心に、ゲームのインフラの支援、設計、費用の見直しなどを担当していると答えています。[4]

最初は営業とエンジニアの両方を担当し、その後インフラの専門の仕事に移った例です。最初のIT企業への応募の方法、学んだ内容、年齢、給与は書かれておらず、未経験で移った直後の難しさは分かりません。勤務先の公式noteの社員インタビューです。2025年5月の投稿です。

事例5:33歳ごろに職業訓練校へ。SESとスタートアップを経てWebインフラに

窪田将太さんは、20代にトラックドライバーとして働き、体力的に長く続けられないことと、33歳ごろの年齢への焦りから、ITに移ると決めたと答えています。職業訓練校で、SQL、C言語、Javaを学んだそうです。[5]

SES企業で航空管制のシステムの開発、スタートアップでフロントエンドとバックエンドを経験したあと、2022年1月に今の会社に入ったといいます。公開の時点では、AWS、Cloudflare、Terraform、WordPressの移行などのWebインフラの仕事を担当していると答えています。[5]

職業訓練で学び、いくつかの会社を経て今の仕事に移った例です。応募の数、給与、訓練の期間は書かれていません。勤務先の公式noteの社員インタビューです。2023年12月の投稿です。

事例6:配送中のシステム障害がきっかけ。オンラインで学び群馬の会社へ

山本真之さんは、自動車整備士を経て上京し、トラックでの配送を担当していたと答えています。配送中にシステムの障害に対応するインフラの担当者を見たことや、ITエンジニアの友人の助言から、関心を持ったそうです。[6]

前の仕事を辞めたあとに東京を離れる予定があり、オンラインのインフラのコースを選び、平日コースを2か月受講したといいます。群馬県の会社を希望して紹介を受け、ITインフラの会社に就職し、入社2週目から簡単なサーバーの作業に取り組んでいると答えています。[6]

夜の机でノートPCに色付きの行を表示して学ぶ手元
夜にノートPCで学ぶ様子のイメージ(AI生成画像)

配送の仕事のなかでITの仕事を目にしたことが入口になった例です。コースの受講期間は2か月とありますが、本人の実際の学習時間、応募の数、給与は書かれていません。無料のスクールの運営サイトの卒業生インタビューで、説明会への案内があります。2025年9月の投稿です。

事例7:配送と営業を8年。報告書やチラシ作りが楽しかった

Kさんは、大学を卒業後、大手配送会社の法人部門で8年間、会社のあいだの物流のトラック配送と営業を担当したと答えています。[7]

PCやものづくりへの関心に加えて、前の仕事でWordやExcelを使って報告書や営業のチラシを作るのが楽しかったこと、体を動かし続けないデスクワークを望んだことから、プログラミングスクールに通ったそうです。スクールの紹介で今の会社に入り、投稿の時点で33歳、入社3年目だと答えています。[7]

前の仕事のなかでPCを使う作業に楽しさを感じたことが、きっかけの一つになった例です。学んだ期間、技術、担当の仕事、給与は書かれていません。勤務先の公式noteの社員インタビューです。2021年11月の投稿です。

7人の体験から編集部が整理した、ドライバーからWeb・ITに移るときに見えた点

7人の記事を並べると、次の3つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、7人全員がすべてに触れているわけではありません。また、この7人から、どの進め方がうまくいくかという因果は分かりません。

  • 体力や働く時間への不安が、きっかけとして書かれていた:事例1は月80〜100時間の残業、事例4は体の疲れで辞める先輩を見たこと、事例5は体力的に長く続けられないこと、事例7はデスクワークを望んだことを挙げています。[1][4][5][7]
  • インフラやクラウドの仕事に移った人が多かった:事例3・4・5・6は、インフラやクラウドの仕事をしていると答えています。事例1はWebデザイナー、事例2はマーケティング営業です。[3][4][5][6]
  • 最初の会社から、職種や会社を移った人がいた:事例3は1社目の仕事がIT事務に近く、3社目でインフラエンジニアに、事例4は営業とエンジニアを経てインフラの専門に、事例5はSESとスタートアップを経て今の会社に移っています。[3][4][5]

同じく現場の仕事から移った人の体験は建設業・現場職からWebの仕事に移った4人の体験は?辞めたきっかけ・学び方・移ったあとを整理、飲食業からWebの仕事を目指した7人の体験は?きっかけ・学び方・その後の仕事を整理でまとめています。

ドライバーからWeb・ITに移る前に確かめたい5つのこと

ここからは、7人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。7人がこの5つを勧めているわけではありません。

ドライバーからWeb・ITに移る前に確かめたい5つのこと:目指す職種、学び方、学ぶ時間、最初の会社の仕事内容、生活費と収入の見通し
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. 目指す職種:インフラ、開発、Webデザイン、マーケティングなど、どの仕事を目指すかを決めます。
  2. 学び方:独学、スクール、職業訓練、資格の勉強のどれを使うかを比べます。職業訓練は条件や期間を確かめます。
  3. 学ぶ時間:勤務時間が長い場合や不規則な場合に、学ぶ時間をどれだけ取れるかを考えます。
  4. 最初の会社の仕事内容:求人の職種名だけでなく、入ったあとに実際に担当する仕事を確かめます。
  5. 生活費と収入の見通し:辞めてから学ぶ場合や、移ったあとに年収が下がる場合に、生活をどう支えるかを考えます。

プログラミングの独学でつまずいた人の体験はプログラミングの独学で挫折した6人の体験は?、スクールや職業訓練のあとの仕事探しはWebスクール・職業訓練を終えた7人の仕事探しは?で紹介しています。

よくある質問

ドライバーからWeb・ITの仕事に移った人は、どんな仕事に就きましたか?

今回の7人では、インフラやクラウドのエンジニア(事例3・4・5・6)、エンジニア(事例7、担当の仕事は書かれていない)、Webデザイナー(事例1)、マーケティング営業(事例2)でした。事例3の最初の会社の仕事は、本人の整理ではIT事務に近かったといいます。

どうやって学びましたか?

スクール(事例1・7)、オンラインのコース(事例6)、職業訓練校(事例5)、ITパスポートの勉強(事例3)、心理学の勉強(事例2)でした。事例4は学び方を書いていません。

どのくらい応募しましたか?

数を書いていたのは、事例1(制作会社3社)と事例2(1社目は書類で不採用、2社目で採用)です。事例6・7は紹介を受けて入社しています。どれも本人の申告で、一般的な目安にはなりません。

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