プログラミングの独学で挫折した6人の体験は?止まった理由と再開の仕方を整理

夜の自宅で、ノートパソコンを前に頭を抱える大人の後ろ姿 キャリア・転職

プログラミングを独学で始めたものの、エラーが消えない、教材は終わったのに自分では何も作れない、いつの間にか手が止まっていた。そんな経験から「自分には向いていないのでは」と迷っている人もいるでしょう。そこで、プログラミングの独学で挫折した6人の体験が一人称で書かれた記事を確認しました(うち1件は、企業のnoteが本人の声として掲載したものです)。

先に結論をいうと、6人が止まった理由は、エラーで詰まっても聞ける相手がいなかった、教材の練習から自分で作る段階に進めなかった、作りたいものや学ぶ順番が決まっていなかった、などさまざまでした。手が止まるまでの期間も、1週間から約半年まで幅があります。6人のうち5人は、時間をおいて再開したり、質問できる講座や研修に移ったりして、学習を続けたと書いています。ただし、これは6人の個別の体験で、独学で学ぶ人全体の傾向を示すものではありません。

この記事で分かること

  • 独学で挫折した6人の体験記事にある、止まった理由と時期
  • 止まったあとに、どう再開したか
  • 体験記事を読むときに注意したい点(宣伝との関係)
  • 独学を続けるか決める前の5つの確認

プログラミングの独学で挫折した6人の概要

今回確認したのは、独学で止まった経緯が本人の一人称で書かれた記事です(事例2は企業のnoteへの掲載)。学んでいた内容や、止まるまでの期間はそれぞれ違います。

事例 独学の内容(本人の記載) 止まった理由 その後
事例1 動画教材からProgateへ。HTML・CSS・Ruby・Python・PHPを約半年 作りたいものが決まらないまま、教材のレベル上げが目的になった 記載なし
事例2 本でHTML・CSS 本どおりに書いてもエラーが消えず、約1か月で中止 半年ほどあと、質問できる12日間の研修で学び直し
事例3 36歳で、動画講座でPython・機械学習(2017年)。本人の総括では、この独学は約3〜4か月 3週間くらいで手が止まった。基礎がないまま応用に進み、エラーが読めず、相談相手もいなかった スクールとメンターで学び直し、37歳で転職
事例4 Progate、YouTube、模写、JavaScript・PHP 身についた感覚がない、表示の崩れ、難しさが増した(計3回中断) 自分でサイトを作れるようになり、のちにスクールを経て就職
事例5 連休の1週間でProgateのHTML・CSS(2019年) ヒントのない演習で調べることが一気に増えた 約3か月後に再開して演習を通過
事例6 動画教材と本 分からない点が多く、質問できなかった 1か月の教室型講座でWebアプリを作った(2012年)

6件とも記事の本文を確認しました。事例1・3は本人のnote、事例4〜6は本人のサイトの記事です。事例2は、研修を提供する会社のnoteが、本人の声として一人称の体験を掲載した記事で、本人が自分のアカウントで書いたものではありません。学習期間・就職・転職・収入などはすべて本人の申告で、独自には確認していません。また、6人のうち4人の記事は、講座やスクールの宣伝と関係があります(事例2は研修を提供する会社の講座紹介、事例4はスクール体験記事への誘導、事例5は本人がオンラインスクールを運営、事例6はスクールの広告やアフィリエイトリンクが多数)。事例3は転職がうまくいったあとの振り返りです。「独学で止まったあと、講座やスクールに移った」という流れが多いのは、こうした書き手が選んで書いていることも影響している可能性があります。

事例1:作りたいものがないまま、5つの言語を約半年

筆者は、何を作りたいかを決めないまま独学を始めました。最初の動画教材は速さについていけずProgateに移り、約半年、HTML、CSS、Ruby、Python、PHPをくり返し学んだといいます。[1]

しかし、画面の中でレベルを上げること自体が目的になってしまい、自分で何を作るのか、なぜそのコードを書くのかを整理できないまま挫折したと振り返っています。その後どうしたかは書かれていません。2020年9月の投稿です。[1]

教材を進めることと、自分で作れるようになることは別だと分かる例です。

事例2:エラーが消えず約1か月で中止。質問できる研修で学び直し

記事の中で本人は、就職活動を終えたあと、HTMLとCSSの本で独学を始めたと語っています。ところが、本と同じように書いてもエラーが消えず、そのストレスが大きくなって、約1か月でやめたといいます。[2]

半年ほど離れたあと、内定者向けの研修(12日間・1日6時間)を受けました。講師に細かく質問でき、一緒に学ぶ人がいて、分からない用語も説明してもらえたことで、最後まで修了したと書いています。今は営業の仕事をしながら、業務の自動化を考えるようになり、土日にも学習を続けているそうです。[2]

詰まったときに聞ける相手がいるかどうかで、続け方が変わった例です。ただし、この記事は研修を提供する会社のnoteで、講座の紹介も目的に含まれています。2021年6月の投稿です。

赤い色面を表示したノートパソコンの前で考え込む大人の手元
エラーを前に解決方法を考える場面(AI生成画像)

事例3:基礎を飛ばして機械学習へ。エラーが読めず挫折

筆者は化学系メーカーで技術営業をしていた36歳のとき、2017年後半から学習を始めました。基礎の知識がないまま、動画講座でPythonや機械学習に進みましたが、本人によると3週間くらいで手が止まったといいます。エラーメッセージの読み方も分からず、相談できる相手もいなかったと書いています。記事の後半では、この動画講座での独学全体を約3〜4か月と振り返っています。[3]

その後スクールに入り、講師がいなくなるという問題も経験したものの、別のメンターと基礎から学び直して、Railsでポートフォリオを完成させました。本人によると、37歳でエンジニアに転職し、最初は年収が約300万円下がったものの、2026年には前の仕事の年収を超えたと書いています。[3]

興味のある応用分野に、基礎を飛ばして進んだことを本人が挫折の理由に挙げている例です。転職後の結果はスクールやメンターを使ったあとのもので、独学だけの成果ではありません。2026年4月の投稿です。

事例4:3回止まりながら、自分でサイトを作れるところまで

筆者は高校卒業後、カナダのレストランで働きながら、スマホでProgateのHTMLとCSSを数か月学びましたが、身についている感覚がなく中断しました。[4]

パソコンを買ってからは、Progate、YouTube、サイトの模写を約3か月続けましたが、画面の幅に合わせた表示(レスポンシブ)が崩れるなどして再び中断。3回目はJavaScriptとPHPに進み、自分でサイトやWordPressのブログを作れるところまで来たものの、難しくなって中断したといいます。その後、半年間のオンラインスクールを受けて、プログラマーとして就職したと書いています。[4]

一度の中断で終わりにせず、学ぶ環境や方法を変えながら進めた例です。記事にはスクール体験記事への誘導があります。2025年2月の投稿です。

文字のない分厚い本を積み、ノートパソコンと付箋、白紙のノートを置いた学習机
教材が増え、学び方を整理する場面(AI生成画像)

事例5:1週間で終えるつもりが、ヒントのない演習で止まった

筆者は新卒で入社した2019年、連休の1週間でProgateを終えるつもりでHTMLとCSSを始めました。ところが、ヒントのない演習に入ると、調べることが一気に増えて面倒になり、手が止まったといいます。[5]

その後約3か月はプログラミングに触れませんでしたが、再開して同じ演習を通過したと書いています。プロフィールでは、その後3か月学習して2020年4月にWebエンジニアに転職したとしています。[5]

短期間で終わるという見積もりが外れて止まり、時間をおいて再開した例です。本人は現在オンラインスクールの運営もしていて、事業の宣伝と関係する点に注意が必要です。2020年9月の投稿です。

事例6:質問できずに挫折。1か月の教室型講座でWebアプリを作った

筆者は、スクールに通う前に動画教材と本で独学しましたが、分からないことが多くて挫折したといいます。[6]

その後、2012年に都内の公民館で開かれた1か月・5万円の教室型の講座に通い、PHPとMySQLを学んでWebアプリを作りました。本人によると、それを就職活動でアピールし、上場企業から内定を得たそうです。続けられた理由として、すぐに質問できたことと、一緒に学ぶ仲間がいたことを挙げています。[6]

2012年当時の講座の例です。内定と講座の関係は本人の見立てで、記事にはスクールの広告やアフィリエイトリンクが多数あり、強い宣伝の意図を含むことに注意してください。2019年9月の投稿です。

自宅の机で、ノートパソコンのビデオ通話相手に質問する大人の後ろ姿
一人で抱えず、オンラインで質問する場面(AI生成画像)

6人の体験から編集部が整理した、止まりやすかった場面

6人の記事を並べると、次の4つの場面がくり返し出てきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、6人の記事だけで、何が挫折の原因になったかを断定することはできません。

  • エラーや分からないことを聞ける相手がいなかった:事例2はエラーが消えないストレス、事例3はエラーの読み方が分からず相談相手もいなかったこと、事例6は質問できなかったことを挙げています。[2][3][6]
  • 教材の練習から、自分で作る段階への段差:事例1は教材のレベル上げが目的になり、事例5はヒントのない演習で止まり、事例4は模写で表示が崩れて中断しています。[1][4][5]
  • 作りたいものや学ぶ順番が決まっていなかった:事例1は目標がないまま5つの言語を学び、事例3は基礎を飛ばして応用に進んでいます。[1][3]
  • 止まったあとに、時間をおいて再開した例がある:事例5は約3か月後、事例2は半年ほどあとに再開し、事例4は3回中断しながら進めています。[2][4][5]

なお、6人のうち4人は、止まったあとに講座・研修・スクールに移っていますが、上で書いたとおり、そのうち3人の記事は講座やスクールの宣伝と関係があります(事例2・4・6)。事例5の筆者も現在スクールを運営しています。「独学で止まったらスクールに行けばよい」という結論は、この6人の記事からは導けません。Webデザインの独学で止まった人の体験はWebデザインの独学で挫折・壁にぶつかった6人の体験は?でまとめています。

独学を続けるか決める前の5つの確認

ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

プログラミングの独学を続けるか決める前の5つの確認:作りたいもの、学ぶ言語と順番、聞ける相手、教材の外で作る、休むなら再開の予定
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. 作りたいものが決まっているか:教材を終えることではなく、何を作れるようになりたいかを先に決めます。
  2. 学ぶ言語と順番を絞れているか:いくつもの言語に広げたり、基礎を飛ばして応用に進んだりしていないかを見直します。
  3. 詰まったときに聞ける相手がいるか:エラーで止まったときに、質問できる人や場所があるか。なければ、短期の講座や勉強会などで試してみる方法もあります。
  4. 教材の外で、小さく作ってみたか:ヒントなしで、小さなページや機能を自分で作れるかを確かめます。
  5. 休むなら、再開の時期と場所を決めたか:完全にやめる前に、いつ・どこから再開するかを決めておきます。

スクールを使うか迷っている場合はWebスキルのスクールは必要?受講した4人の体験から選び方を整理、受講料を回収できたかについてはWebスクールの受講料は回収できた?も参考になります。

よくある質問

プログラミングの独学は、どれくらいで挫折しやすいですか?

今回の6人では、止まるまでの期間は1週間(事例5)、3週間くらい(事例3)、約1か月(事例2)、約半年(事例1)などさまざまでした。6人の体験だけで、一般的な時期は言えません。

独学で挫折したら、スクールに行くべきですか?

この6人の記事だけでは判断できません。講座やスクールに移った人もいますが、その多くの記事は講座やスクールの宣伝と関係があります。一方、事例5のように時間をおいて独学で再開した人もいます。止まった理由がエラーや質問先の問題なのか、目標や順番の問題なのかを先に整理することをおすすめします。

一度やめても、また再開できますか?

今回の6人では、約3か月後に再開した人(事例5)、半年ほどあとに研修で学び直した人(事例2)、3回中断しながら進めた人(事例4)がいます。

参照した体験記事

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