Webデザインの独学で挫折・壁にぶつかった6人の体験は?止まった理由とその後を整理

夜の自宅の机で、デザイン画面を表示したノートパソコンの前で頬杖をつき、手を止めて考える人物の後ろ姿 キャリア・転職

Webデザインを独学で始めたものの、数か月で手が止まってしまった。そんな経験から「自分には向いていないのでは」と感じている人もいるでしょう。そこで、Webデザインを独学で学び、挫折した人や、続けるうえで壁にぶつかった人、合わせて6人が自分で書いた体験記事を確認しました。

先に結論をいうと、6人がぶつかった壁は「才能がない」という話ではありませんでした。何をどの順番で学べばよいか分からない、作ったものの直し方が分からない、一人で続けるのがつらい、動画を見ているときと自分で作るときの差で止まる、といった具体的なつまずきが書かれています。その後も、やめて別の道へ進んだ人、スクールに切り替えた人、添削や相談だけを外に頼った人、独学のまま続けている人に分かれました。ただし、これは6人の個別の体験で、独学の挫折率や成功率を示すものではありません。

この記事で分かること

  • Webデザインの独学で、6人がどこでつまずいたか
  • 挫折したあとの4つの道(やめる、スクール、相談だけ外に頼る、続ける)
  • やめた人でも、学んだことが仕事に役立った例
  • 独学を続けるか迷ったときに確認したいこと

Webデザインの独学で挫折した人・壁にぶつかった人、6人の概要

今回確認したのは、本人が独学の経緯を書いた記事です。学習の期間も、その後の選択もそれぞれ違います。

事例 独学の状況(本人の記載) つまずいたこと その後
事例1 当時フリーランス。仕事を3か月休んで独学 案件サイトの競争と実績の差を見て気力が薄れ、応募しなかった Webデザイナーを目指すのをやめたが、HTML/CSSの知識は仕事に役立った
事例2 31歳のとき、1,200円の動画講座で副業を目指す Photoshopの操作が覚えられず、動画を見ても自分でページを作れなかった 3か月で中止。会社の仕事で基礎知識が役立った
事例3 25歳で独学を開始 何をどの順番・水準まで学ぶか分からず、2回挫折 半年離れたあと、貯金してスクールへ
事例4 看護師として働きながら独学 バナーの問題点は感じても、直し方が分からなかった 32歳でスクールに入り10か月学習
事例5 仕事を辞めて独学(2020年) 一人で続ける孤独、モチベーション、相談相手がいない 当時月5,000円で利用した相談サービスで質問できる環境をつくり、約15社に応募して2社から内定
事例6 職業訓練(3か月)のあと、本とYouTubeで独学 何度も挫折しかけた 約1年続け、少しずつ採用実績が増えた(中間報告)

6人とも本人が公開したnote・ブログの本文を確認しました。成果や受注は本人の申告で、独立した確認はしていません。事例3のサイトには広告やスクール・教材の紹介リンクがあり、事例4・5は現在デザインの仕事をして発信しています。事例5は有料の相談サービスを、事例6は職業訓練と友人の伴走を経ているため、完全に一人だけの独学ではありません。うまくいった人の体験が発信されやすい点にも注意してください。

事例1:仕事を3か月休んで独学したが、応募しないままやめた

当時フリーランスだった筆者は、仕事を3か月休み、スクールには入らずに、HTML・CSS、デザインの本、練習、経験者への相談という順で学びました。しかし、クラウドソーシングで競争の激しさや実績の差を目にして気力が薄れ、自分の作品にも自信が持てず、応募しないままWebデザイナーを目指すのをやめています。[1]

一方で、学習を始めて1か月でHTML5の認定試験(レベル1)に合格し、HTML・CSSの理解は仕事での修正作業に役立ったこと、自分のサイトも作れたことを書いています。[1]

この例からは、「仕事にする」ことはやめても、学んだことがむだになったわけではないと分かります。本人は、競争や実績の差を見て気力が薄れたことと、自分の作品に自信が持てず応募しなかったことの両方を振り返っています。

事例2:動画では分かるのに、自分では作れなかった

筆者は31歳のとき、副業を考えて、セール中のWebデザインの動画講座を1,200円で購入しました。しかし、Photoshopの操作が覚えられず、HTML・CSSは考え方を理解しても、何もないところからページを作ることができなかったといいます。動画を見ているときと、自分で手を動かすときの差で手が止まり、3か月で学習をやめました。[2]

本人は後から、動画を止めて操作して再生するリズムが合わず、自分には本の方が合っていたと整理しています。また、身につけた基礎知識は、会社のサイト更新や外注先とのやり取りに役立ったと書いています。[2]

ここで参考になるのは、教材の形式(動画か本か)が自分に合っているかという視点です。挫折の原因を「自分の能力」だけに求めず、学び方との相性も見直す余地があります。

ノートパソコンの学習動画を一時停止し、白紙のノートにペンを置こうとして迷う手元
動画を見ても何をメモすべきか迷う学習場面(AI生成画像)

事例3:何をどこまで学べばいいか分からず、2回挫折

RIKAさんは25歳で独学を始め、2回挫折し、その後半年ほど学習から離れたと書いています。何をどの順番で、どの水準まで学べばよいかが分からず、Photoshopの入門書で実務では使わない機能まで覚えようとし、難しいところではYouTubeを見たり寝たりして学習を避けてしまったといいます。[3]

独学でツールの操作や制作はある程度できるようになっても、それがプロの水準なのか自分では判断できなかったそうです。その後、貯金してスクールに入り、バナー制作で本人のいう「お小遣い程度」の収入を得ています。[3]

学ぶ順番とゴールの水準が見えないことが、独学で止まる場面として挙げられています。なお、このサイトには広告や受講したスクールへの紹介リンクがあり、スクールを勧める内容になっています。同じ筆者のスクール受講の体験はWebスクールで後悔した人の体験は?でも取り上げています。

事例4:作ったものの直し方が分からなかった

筆者は青森で保育園の看護師として働いていたとき、近くに通える学校や納得できるオンライン講座が見つからず、Adobeのソフトを契約して独学を始めました。しかしPhotoshopの機能や文字の加工を覚えられず、1日かけて作ったバナーにどこか問題があると感じても、どう直せばよいか分からなかったといいます。[4]

独学に限界を感じた筆者は、32歳のとき新しく開校したスクールに入り、10か月学びました。在学中にモニター案件や企業サイトの制作を受注し、その後も先輩デザイナーからのフィードバックを受けたと書いています。[4]

この例のポイントは、自分の作品を見てもらい、直し方を教わる機会がなかったことです。独学では、作ることはできても、良し悪しを判断する目を一人で育てるのが難しい場面があります。

文字のない抽象的なバナー案を机に並べ、赤ペンを持って見比べる手元
複数のデザイン案を前に、直し方を検討する場面(AI生成画像)

事例5:独学の孤独を、有料の相談サービスで補った

筆者は大学卒業後に映像制作会社で1年半働き、個人事業を経て、2020年6月から仕事を辞めて独学を始めました。毎日学べる週もあれば週3日しかできない週もあり、一人で学ぶ孤独、モチベーションの維持、相談相手がいないことを課題として挙げています。[5]

そこで、SNSで同じように学ぶ人を見て刺激を受けつつ、本人が当時月5,000円で利用していた相談サービス(MENTA)で質問できる環境をつくり、制作を習慣にしてアウトプットを続けました。Web制作会社を中心に約15社へ応募し、2社から内定を得て、2021年6月からデザイナーとして働く予定だと書いています。[5]

すべてを独学かスクールかで考えず、「相談だけ」を外に頼るという方法もあることが分かります。ただし、この方は仕事を辞めて学習時間を確保しており、映像制作の経験もあったため、同じ条件の人ばかりではありません。

自宅の机でオンライン相談をしながら、ノートパソコンの作品画面について質問する人物の後ろ姿
オンラインで作品を見せながら相談する場面(AI生成画像)

事例6:職業訓練のあと、独学で1年続けている

筆者は接客業の店長や事務の仕事を経験し、派遣の契約が終わったときに、友人と一緒に3か月の職業訓練でPhotoshop、Illustrator、HTMLの基礎を学びました。費用の面から専門のスクールは選ばず、本を見ながらのトレース、YouTubeでの学習、クラウドワークスへの応募を約1年続けています。[6]

何度も挫折しかけたものの、PhotoshopとIllustratorを組み合わせて使えるようになり、数は多くないものの評価や採用が少しずつ増えてきたと本人は書いています。具体的な案件数や報酬は書かれておらず、投稿時点ではまだ学習中の中間報告です。[6]

この例では、小さな案件への応募を続けることが、学習を続ける目安になっていたことが読み取れます。職業訓練と友人という支えが先にあった点も見ておく必要があります。

6人の体験から編集部が整理した、独学で止まりやすい場面

6人の記事を並べると、次の4つの場面が繰り返し出てきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、6人の記事だけで、何が挫折の原因になったかを断定することはできません。

  • 学ぶ順番とゴールが見えない:事例3は何をどこまで学ぶか分からず2回挫折しました。[3]
  • 作ったものの良し悪しが分からない:事例4は問題に気づいても直し方が分からず、事例3もプロの水準か判断できなかったと書いています。[3][4]
  • 一人で続けるつらさ:事例5は、挫折したとは書いていないものの、孤独と相談相手の不在を課題に挙げ、事例1は競争を見て気力が薄れました。[1][5]
  • 見て分かることと、自分で作れることの差:事例2は動画では理解できても、自分でページを作れませんでした。[2]

挫折したあとの道も一つではありませんでした。やめて別の形で知識を活かした人(事例1・2)、スクールに切り替えた人(事例3・4)、相談だけ外に頼った人(事例5)、支えを得て独学を続けた人(事例6)がいます。独学とスクールのどちらにするかはWebデザインは独学・スクールどっち?職業訓練も含む選び方でも整理しています。

独学を続けるか迷ったときの5つの確認

ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

Webデザインの独学を続けるか迷ったときの5つの確認:ゴールの水準、学ぶ順番、作品を見てもらう方法、教材の形式、続ける目安
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. ゴールの水準:副業でバナーを作りたいのか、制作会社に転職したいのか。目標によって、学ぶ範囲と必要な水準が変わります。
  2. 学ぶ順番:今学んでいる内容が、目標に必要なものか。使わない機能まで覚えようとしていないか。
  3. 作品を見てもらう方法:作ったものを誰に見せ、どう直すかを教わるか。添削や相談のサービス、職業訓練、知人など、方法はいくつかあります。
  4. 教材の形式:動画、本、課題形式のどれが自分に合うか。合わない形式で止まっている可能性はないか。
  5. 続ける目安:小さな作品の公開や案件への応募など、学習が進んでいると確かめられる区切りがあるか。

ポートフォリオに何を載せるかは未経験Webデザイナーのポートフォリオは何を載せる?、スクールを検討する場合の注意点はWebスキルのスクールは必要?受講した4人の体験から選び方を整理も参考になります。

よくある質問

Webデザインの独学で挫折するのは向いていないからですか?

今回の6人の記事からは、そう言い切れません。学ぶ順番が分からない、作品の直し方が分からない、教材の形式が合わないなど、具体的な理由が書かれていました。やめた人の中にも、学んだ知識が仕事に役立った人がいます。

独学で挫折したら、スクールに行くべきですか?

一概には言えません。今回はスクールに切り替えた人がいる一方、相談サービスだけを使った人、職業訓練のあと独学を続けた人もいます。何が足りなくて止まっているのかを先に確認すると、選びやすくなります。

独学を何か月続ければ仕事になりますか?

今回の事例では、期間も結果もばらばらで、目安は示せません。3か月でやめた人もいれば、約1年続けて少しずつ採用が増えてきた人もいます。期間より、目標の水準と作品の数を基準に考えるのがおすすめです。

参照した本人記事

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