副業で初めて確定申告をした4人の記事を確認すると、3人は会計ソフトやe-Taxを使って申告を終えていました。一方で、領収書を捨ててしまったこと、住民税の欄の書き方で勤め先の経理担当から確認を受けたこと、期限の直前に1年分の記録を掘り起こしたことを、失敗として書いた人もいます。作業時間を書いた1人は、取引が多くなく約3時間で終わったそうです。
この記事では、4人が何を準備し、どう申告し、どこでつまずいたかを整理します。あわせて、申告が必要かどうかや経費の考え方は、国税庁の案内で確認した内容だけを載せます。4人の金額や処理は本人の申告で、正しかったかどうかは確認していません。自分の申告の判断は、国税庁の案内や税務署、税理士に確かめてください。
- 副業で初めて確定申告をした4人の、準備と申告の方法
- かかった時間と、つまずいた点
- 給与所得者が確定申告を必要とする基準と、必要経費の考え方(国税庁の案内)
- 初めて申告する前に確かめたい5つのこと
結論:4人の体験の比較
4人の記事を一覧にしました。どの例も本人の記載です。
| 事例 | 副業 | 申告の方法 | 本人が書いたこと |
|---|---|---|---|
| 事例1 | Webライター | 会計ソフト(freeeの有料版)に入力し、マイナンバーカードでe-Tax | 家事按分の基準を決めた。当年の所得税の納税額は0円 |
| 事例2 | Webライター(30代) | e-Tax | 副業の収入は202,350円(ライター155,094円を含む)。本人の計算で所得は1,747円。申告の理由は源泉徴収分の還付とふるさと納税 |
| 事例3 | note(30代のフルタイムの会社員) | 会計ソフト(freee)とe-Tax | 領収書を捨てた、住民税の欄で勤め先の経理担当から確認を受けた、期限直前に1年分を掘り起こした |
| 事例4 | Webライター | 書かれていない | 取引が多くなく、動画を見ながら仕訳をして約3時間。前の年の簿記の学習が役立った |
4人とも本人のnoteで、本文を確認しました。金額・経費の分け方・時間は本人の申告で、申告の内容が正しいかは確認していません。事例1は会計ソフトと書籍へのリンク、事例2はプロフィールにAmazonアソシエイトの表示、事例3は有料記事の販売があり、紹介や宣伝の面があります。
国税庁の案内:申告が必要か、何が経費になるか
4人の体験の前に、国税庁の案内で確認した内容をまとめます。ここに書いたのは案内の一部で、自分に当てはまるかは条件によって変わります。
- 給与所得者で申告が必要か:国税庁は、一定の給与所得者について、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は要らないとしています。ただし、医療費控除などで還付を受けるために申告する場合は、20万円以下の所得もあわせて申告する必要があるとしています。[5]
- 20万円の基準には前提がある:この基準は、給与の額や給与の支払い元の数、年末調整を受けているかなどの条件がある人についてのものです。「副業が20万円以下なら必ず申告しなくてよい」という意味ではありません。住民税の申告が必要かどうかは、住んでいる市区町村に確かめてください。[5]
- 必要経費:国税庁は、必要経費を、収入に対応する売上原価や、その収入を得るために直接かかった費用などとしています。家事上の費用は経費にならず、家事と仕事の両方にかかる費用は、取引の記録などで仕事に直接必要な部分をはっきり分けられる場合に、その分だけ経費になるとしています。[6]
4人が経費にしたものが、それぞれの条件で正しかったかは、この記事では判断しません。
事例1:会計ソフトに1年分を入力し、マイナンバーカードでe-Tax
筆者は副業のWebライターとして、初めて確定申告をしました。会計ソフトのfreeeの有料版に、1年分の売上、経費、源泉徴収された税額を入力し、家事按分の基準を決めたそうです。そのうえでマイナンバーカードを使い、e-Taxで申告したと書いています。[1]
電子申告が終わったことを確かめ、本人の申告では、その年の所得税の納税額は0円だったそうです。何も分からない状態から、全体の流れを理解して手続きを終えたと振り返っています。[1]
会計ソフトに記録を入れ、自宅からe-Taxで申告した例です。家事按分の基準や経費の中身が正しかったかは確認できません。記事には会計ソフトと書籍へのリンクがあります。2023年2月の投稿です。

事例2:30代の副業ライター。還付とふるさと納税のために、人生初の申告
筆者は30代の副業のWebライターで、人生で初めての確定申告をe-Taxでしたと書いています。2024年の副業の収入は、本人の申告で202,350円でした。そのうちライターの仕事が155,094円、セルフバックが47,256円です。[2]
経費として、消耗品費、研修費、クラウドワークスの手数料とAIの有料プラン、書籍代を計上し、本人の計算では所得は1,747円になったそうです。申告した理由は、源泉徴収された分の還付が見込まれることと、ふるさと納税だったと説明しています。[2]
申告が必要かどうかだけでなく、還付やふるさと納税のために申告した例です。収入にはライター以外のセルフバックも含まれます。研修費が大きい初年度の内訳で、翌年やほかの人に当てはまるものではありません。経費の分け方が正しかったかは確認できません。2025年1月の投稿です。
事例3:30代の会社員。領収書を捨てた、住民税の欄で確認を受けた
筆者は30代のフルタイムの会社員で、noteで副業をしています。1年目の確定申告の失敗として、領収書を捨ててしまい経費にできる額が減ったこと、住民税の欄を「給与から差し引き」のまま出して、勤め先の経理担当から確認を受けたこと、期限の直前に1年分の収入と経費を掘り起こしたことを書いています。[3]
それでも、会計ソフトのfreeeを使い、e-Taxで申告を終えたそうです。2年目からは、お金を使ったときにすぐ入力や撮影をし、早めに作業を始めるように変えたといいます。[3]
記録を年の途中で残していなかったことと、住民税の欄の書き方でつまずいた例です。住民税をどう納めるかは、自治体や所得の種類などで扱いが違うことがあり、本人の対策をそのまま当てはめることはできません。経費にできたはずという評価も本人の考えです。記事の最後に有料記事の販売があります。2026年5月の投稿です。

事例4:取引が多くなく、動画を見ながら約3時間。簿記の学習が役立った
筆者は副業のWebライターで、月ごとの活動報告の中で、2025年2月に初めて確定申告をしたと書いています。取引の数が多くなかったので、動画を見ながら仕訳をして、約3時間で終わったそうです。[4]
仕訳には不安もあったものの、前の年に簿記を学んでいたことが役立ったと振り返っています。分からない仕訳は、生成AIのPerplexityに質問したとも書いています。[4]
取引が少なく、簿記の知識もあって、短い時間で終えた例です。税額、申告の方法、使ったソフトは書かれていません。生成AIに質問したことは本人の行動として紹介しますが、税の判断を確かめる方法として勧めるものではありません。2025年2月の投稿です。
4人の体験から編集部が整理した、初めての申告で見えた点
4人の記事を並べると、次の3つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、4人全員がすべてに触れているわけではありません。また、4人の記事だけで、初めての確定申告の正しいやり方を示すことはできません。
- 会計ソフトやe-Taxで申告した人が多い:事例1・3は会計ソフトのfreeeを使い、事例1・2・3はe-Taxで申告していました。事例4は方法を書いていません。[1][2][3]
- つまずいたのは記録と書き方:事例3は、領収書を捨てたこと、期限直前に1年分を掘り起こしたこと、住民税の欄の書き方を失敗として挙げています。事例4は仕訳に不安があったと書いています。[3][4]
- 申告した理由は人によって違う:事例2は、源泉徴収分の還付とふるさと納税を理由に挙げていました。ほかの3人は、申告した理由を詳しく書いていません。[2]
申告が必要かどうかの基準や経費の考え方は、上の国税庁の案内で確かめた範囲だけを載せています。副業と会社の決まりについては会社員の副業は会社にバレる?3人の許可・届出体験から確認順を整理、独立したあとの事務についてはWeb制作・Webデザインのフリーランス1年目は?でまとめています。
副業の確定申告を初めてする前に確かめたい5つのこと
ここからは、4人の体験と国税庁の案内を参考に編集部が整理した確認項目です。4人がこの5つを勧めているわけではありません。税の判断は、国税庁の案内や税務署、税理士に確かめてください。

- 申告が必要か:給与以外の所得の合計や、還付の申告をするかどうかなど、自分の条件を国税庁の案内で確かめます。
- 売上と経費の記録:入金や支払いの記録、領収書を、1年分そろえられるかを確かめます。
- 家事と仕事の区分:自宅の通信費などを経費にするなら、仕事の分をはっきり分けられるかを確かめます。
- 申告の方法:e-Taxを使うか、マイナンバーカードなど必要なものがそろっているかを確かめます。
- 住民税:住民税の申告や納め方について、市区町村の案内を確かめます。
会社員の副業の時間の使い方は会社員が副業時間を作る方法|本業と両立した5人の実体験で紹介しています。
よくある質問
副業の収入が20万円以下なら、確定申告はいりませんか?
国税庁は、一定の給与所得者について、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は要らないとしています。ただし、還付を受けるために申告する場合などは、20万円以下の所得もあわせて申告する必要があるとしています。基準は収入ではなく所得で、給与の条件などの前提もあります。住民税は別に、市区町村に確かめてください。[5]
初めての確定申告には、どれくらい時間がかかりましたか?
時間を書いていたのは事例4だけで、取引が多くなく、動画を見ながら仕訳をして約3時間だったそうです。前の年に簿記を学んでいたことも役立ったとしています。ほかの3人は時間を書いていません。事例3は、期限の直前に1年分を掘り起こしたことを失敗として挙げています。
パソコンや通信費は経費になりますか?
この記事では判断しません。国税庁は、家事と仕事の両方にかかる費用は、仕事に直接必要な部分をはっきり分けられる場合に、その分だけが経費になるとしています。個別の支出は、国税庁の案内や税務署、税理士に確かめてください。[6]
参照した記事
- [1] 副業Webライター確定申告への道⑥~はじめての確定申告やってみた!(note)。本文を確認。公開日:2023年2月9日。本人の投稿。会計ソフト・書籍へのリンクあり。
- [2] 30代副業Webライターのリアルな話〖2024年確定申告〗(note)。本文を確認。公開日:2025年1月16日。本人の投稿。金額は本人申告。
- [3] 副業1年目の確定申告でやったこと・やらなかったこと〖体験談〗(note)。本文を確認。公開日:2026年5月17日。本人の投稿。有料記事の販売あり。
- [4] 2025年2月の活動報告/文字単価14円のディレクターさんに教えてもらったこと(note)。本文を確認。公開日:2025年2月23日。本人の投稿。
- [5] No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)。本文を確認。2026年10月確認。
- [6] No.2210 必要経費の知識(国税庁)。本文を確認。2026年10月確認。

