教員からWeb・ITの仕事に転職した6人の体験は?働き方の変化・収入・合わなかったことを整理

朝のダイニングで朝食とコーヒーをそばにノートパソコンを開く大人の後ろ姿 キャリア・転職

教員からWebやITの仕事に移った6人の記事を確認すると、デザイナー、Webエンジニア、インフラエンジニアなど、仕事の種類はさまざまでした。移ったあとに、残業や持ち帰りの仕事が減った、家族と過ごす時間ができたと書いた人がいる一方で、年収が下がった人や、仕事が合わずに教員に戻るか悩んだ人もいます。独立した1人は、続けて受けている仕事が月10万円弱で、ほかの仕事と組み合わせて働いていると話しています。

この記事では、教員からWeb・ITの仕事に移った6人が、なぜ辞め、どう学び、移ったあと何が変わったかを整理します。6人とも副業ではなく、教員を辞めて会社員やフリーランスになった人です。金額や時間は本人の申告です。2人はスクールの運営媒体や個人のインタビューで、成功例に偏る面があります。

この記事で分かること

  • 教員からWeb・ITの仕事に移った6人の、辞めた理由と学び方
  • 移ったあとの働き方の変化(残業、在宅勤務、家族との時間)
  • 収入の変化と、合わなかったこと
  • 教員から転職する前に確かめたい5つのこと

結論:6人の体験の比較

6人の記事を一覧にしました。どの例も本人の記載または発言です。

事例 教員のとき 移った仕事・学び方 移ったあと(本人の記載)
事例1 小学校の教員。持ち帰りを除いても月60時間を超える残業 未経験・独学でWebデザイナー → 2回目の転職で在宅のプロダクトデザイナー 家族と朝食をとり、土日は仕事をしない
事例2 音楽の教員を3年半 約2か月の転職活動で、未経験からインフラエンジニア フルリモート・残業なし。後悔していない
事例3 2014年から小学校の教員。2019年に退職 ProgateでRubyやRailsを学び、ポートフォリオを作って応募 受託開発の会社に入社(入社前日の記録)
事例4 公立小学校の教員を9年。保護者対応、長時間労働、持ち帰り 妻と行ったスクールの無料体験をきっかけに学び、会社員のエンジニアに 週2日出社、残業は30分〜1時間。年収は600万円弱から約350万円に
事例5 中学校の教師 スクールで学び、フリーランスのWebデザイナー 2年で約150人と会い、仕事の約95%が紹介に。続けて受けている仕事は月10万円弱
事例6 教員 ITエンジニア(SESの会社で、客先に常駐する働き方が中心) 定時で上がれる日がある一方、仕事が楽しくなく、教員に戻るか悩んだ

事例1・2・3・6は本人のnote、事例4はnoteに載った個人のインタビュー、事例5はスクールの運営媒体のインタビューで、本人の記載や回答の部分を確認しました。金額・時間は本人の申告で、独自には確認していません。事例5はスクールの卒業生紹介、事例4の媒体には公式LINEへの案内があり、宣伝の面があります。6人は公開記事から選んだ例で、教員から転職した人全体の傾向を示すものではありません。

事例1:月60時間を超える残業から、在宅のデザイナーへ

筆者は小学校の教員から、未経験・独学でWebデザイナーに転職し、その後2回目の転職を経て、記事の時点では在宅勤務のプロダクトデザイナー(UI/UX)をしていると書いています。[1]

教員のころは早朝から夜まで働き、本人の集計では、持ち帰りの仕事を除いても月60時間を超える残業があり、家族との時間や休む時間をとれなかったそうです。転職したあとは、リモートで作業に集中でき、家族と朝食をとり、土日は仕事をせず、夜に料理をしたり話したりする余裕ができたと振り返っています。[1]

長い残業から離れ、家族との時間ができた例です。本人が書いた「家族との時間が体感で3倍」は正確な数字ではないと本人も書いていて、この記事では数字として使いません。独学で学んだことは書かれていますが、教材や期間、転職の活動の詳しい内容は、この記事では分かりません。2026年2月の投稿です。

事例2:音楽の教員を3年半。約2か月の転職活動でインフラエンジニアに

筆者は音楽の教員を3年半で辞め、約2か月の転職活動のあと、未経験からインフラエンジニアに転職したと書いています。プロフィールには26歳の女性とあります。[2]

エンジニアになって9か月の時点で、フルリモートで、人と会わずにパソコンに向かい、残業もないという、教員のころとは大きく違う働き方をしているそうです。教育学部の出身で、教員以外の仕事に就けるか悩んだものの、ほかの業界に移ったことを後悔していないと書いています。[2]

未経験から短い転職活動でエンジニアになった例です。辞めた理由の詳しい内容、応募した数、学んだこと、給与は、別の記事で書くとしていて、この記事では分かりません。フルリモートなどは本人の勤め先の条件です。2025年7月の投稿です。

昼の自宅作業机でノートパソコンとヘッドホンのそばのマグカップを持つ手元
在宅の作業机でひと息つく様子のイメージ(AI生成画像)

事例3:小学校の教員を辞め、Progateから学んで受託開発の会社へ

筆者は2014年に小学校の教員になり、2019年8月に退職しました。留学のあと、Webエンジニアへの転職を決めたそうです。[3]

3か月でコードを書く会社に転職するという目標を立て、ProgateでHTMLとCSS、Ruby、Railsを学びました。開発環境を整えるところで失敗しながらも、データの登録・表示・更新・削除ができるポートフォリオを完成させたといいます。もくもく会で現役のエンジニアと交流し、WantedlyとGreenで応募して、受託開発の会社への入社の前日にこの記事を書いています。[3]

退職してから独学し、ポートフォリオを作って応募した例です。入社後の仕事、給与、応募した数は分かりません。経歴の時期の書き方に食い違いがあり、学んだ期間は月単位では確定できません。2020年3月の投稿です。

事例4:公立小学校の教員を9年。エンジニアになり、年収は約350万円に

だいすさんは公立小学校の教員を9年経験し、保護者への対応、長時間労働、持ち帰りの仕事、増えていく責任に疲れていたと答えています。妻と一緒に行ったプログラミングスクールの無料体験をきっかけに、学ぶことと転職を決め、会社員のエンジニアになったそうです。[4]

取材の時点では、週2日出社してそれ以外は在宅で、ふだんの残業は30分から1時間ほど、持ち帰りや土日の仕事はないといいます。一方で、本人の申告では、年収は教員を辞める直前の600万円弱から、転職後は約350万円に下がりました。[4]

働き方は楽になった一方、年収は下がった例です。勤務の条件は2020年の取材の時点のもので、在宅勤務の状況は今と違う可能性があります。インタビューが載った媒体には公式LINEへの案内があります。2020年12月の公開です。

夜の机で本とノートパソコンを前にノートを取って学ぶ手元
夜に本とノートパソコンで学ぶ様子のイメージ(AI生成画像)

事例5:中学校の教師からフリーランスに。人に会って紹介で仕事を増やした

高田優介さんは、中学校の教師を辞めてフリーランスのWebデザイナーになったと話しています。スクールは夏休みに受講したそうです。[5]

その後、2年間で約150人と直接会って紹介をお願いし、仕事の約95%が紹介になったそうです。記事の時点では、キャンプのインストラクター、大学の講義のアシスタント、Web制作を組み合わせて働いていて、続けて受けている仕事は月10万円弱で、単発の仕事の例として、LPが15万円、ホームページが30万円などを挙げています。[5]

人に会って紹介を増やし、Web制作をほかの仕事と組み合わせている例です。Web制作だけで暮らしているのではありません。単発の仕事の金額は例で、毎月の収入ではありません。媒体の地の文には初めのころや月の合計の金額の記載もありますが、本人の発言として確認できないため、この記事では使いません。スクールの運営媒体が載せた卒業生の紹介で、強い宣伝の面があります。2026年4月の公開です。

事例6:教員からITエンジニアへ。働きやすいが、仕事が合わずに悩んだ

筆者は教員からITエンジニアに転職しました。勤め先はSESの会社で、客先に常駐する働き方が中心だったと書いています。[6]

転職したあとは、定時で上がれる日があること、残業代が全額出ること(基本給は教員のころと同じで、残業代が出る分、実質的な収入は増えたと書いています)、土日祝が休みで有休もとりやすいこと、人間関係を、よい点として挙げています。一方で、人と話す機会が少ないこと、担当するシステムの全体像がつかめない苦しさ、テレワークで質問を文章にする難しさから、仕事が楽しくなく、将来の姿も見えず、教員に戻るべきか悩んだと書いています。[6]

働く条件はよくなったが、仕事の中身が合わないと感じた例です。この記事で分かるのは悩んでいたところまでで、実際に教育の仕事に戻ったかは、連載のほかの回の内容です。年齢、給与の金額、詳しい担当の内容は書かれていません。教員のころの教科や学び方は、連載のほかの回の内容で、この記事では扱いません。2023年3月の投稿です。

6人の体験から編集部が整理した、教員からの転職で見えた点

6人の記事を並べると、次の3つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、6人の記事だけで、教員からWebの仕事に移るとうまくいくかを断定することはできません。

  • 働く時間は短くなった人が多い:事例1は土日に仕事をしなくなり、事例2は残業がなく、事例4は残業が30分〜1時間ほど、事例6は定時で上がれる日があると書いています。[1][2][4][6]
  • 収入の変化は人によって違う:事例4は年収が600万円弱から約350万円に下がりました。事例6は、基本給は同じで残業代が全額出るため、実質的な収入は増えたと書いています。[4][6]
  • 仕事の中身が合わなかった人もいる:事例6は、人と話す機会の少なさや、全体像がつかめないこと、質問を文章にする難しさから、教員に戻るか悩みました。事例2は、人と会わずにパソコンに向かう働き方を、教員と大きく違う点として挙げています。[2][6]

学び方は、独学(事例1・3)とスクール(事例4・5)に分かれていました。Webデザイナーに転職したあとの体験はWebデザイナーに転職後のギャップ|未経験で入社した6人の1年目と乗り越え方、30代で未経験からWebの仕事に就いた人の体験は30代未経験からWeb系の仕事に就ける?でまとめています。

教員からWeb・ITの仕事に移る前に確かめたい5つのこと

ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

教員からWeb・ITの仕事へ移る前の5つの確認:学ぶ時期、収入の変化、職種の違い、働き方の違い、合わなかったときの道
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. 学ぶ時期:在職中に学ぶか、辞めてから学ぶか、そのあいだの生活費をどうするかを考えます。
  2. 収入の変化:転職したあと、年収や月の収入がどれくらい変わりそうかを確かめます。
  3. 職種の違い:デザイナー、Webエンジニア、インフラエンジニアなど、仕事の中身の違いを調べます。
  4. 働き方の違い:在宅勤務、人と話す機会の少なさ、質問を文章にすることなど、教員との違いを考えます。
  5. 合わなかったときの道:合わないと感じたとき、別の職種や教育の仕事に戻ることも含めて考えておきます。

Webディレクターに転職した人の体験はWebディレクター未経験の転職|7人の入り方と入社後に戸惑ったこと、プログラミングの独学で挫折した人の体験はプログラミングの独学で挫折した6人の体験は?で紹介しています。

よくある質問

教員からWebの仕事に移ると、年収は下がりますか?

6人の記事からは一般的には言えません。事例4は年収が600万円弱から約350万円に下がりました。事例6は金額は書いていませんが、基本給は同じで残業代が全額出るため、実質的な収入は増えたと書いています。事例5は、続けて受けている仕事が月10万円弱だと話しています。ほかの3人は収入を書いていません。

どうやって学んでいましたか?

事例3は退職したあとProgateなどで独学し、ポートフォリオを作りました。事例1は未経験・独学と書いていますが、詳しい内容は分かりません。事例4・5はスクールで学んでいます(事例5は夏休みに受講)。事例2・6の学び方は、参照した記事には書かれていません。

転職して後悔した人はいますか?

事例6は、働く条件はよくなったものの、仕事が楽しくなく将来の姿も見えず、教員に戻るべきか悩んだと書いています。事例2は、ほかの業界に移ったことを後悔していないと書いています。

参照した記事

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