「40代から未経験でWeb系の仕事に就くのは、さすがに遅いだろうか」。子育てや家計、今の仕事との兼ね合いを考えるほど、一歩目が重くなる人もいるでしょう。そこで、40代でWebデザイン、Web制作、Webマーケティングなどの仕事への転職・採用・内定を報告した6人の体験記事を確認しました。そのうち2人の記事は、入社や働き始める前に書かれています。6人のWebとの関わりは、ほとんど経験がなかった人から、前の会社でWeb業務に触れていた人、フリーランスや副業でWebの仕事をしていた人までさまざまです。
先に結論をいうと、6人の記事から「40代だから無理」とは読み取れませんでした。ただし、決まり方には大きな幅がありました。36件・45社・100社以上・約200件に応募した人がいる一方、面談の当日に採用が決まった人、4社に応募して2社から内定を得た人もいます。半年以上かかった人、一度うまくいかず約1年後に声がかかった人、正社員ではなくパートから始めた人もいます。この記事は、うまくいった人が中心の個別の体験で、40代の転職成功率や年収の見込みを示すものではありません。
- 40代でWeb系職への転職・採用・内定を報告した6人の準備と応募の実際(Webの経験の程度はさまざま)
- 応募数・期間・雇用形態の幅(4社〜約200件、パートからの開始も)
- 前職の経験や、ブログ・副業などの実績を説明に使った例
- 子育て中の2人が、勤務条件と両立させるためにしたこと
- 40代でWeb系職への転職・内定を報告した6人の概要
- 事例1:40歳・子育て中。36件応募し、パートから採用
- 事例2:44歳。45社に応募して、2社から内定
- 事例3:40歳。ブログを2年続けて、Webマーケティング会社へ
- 事例4:40代。SNSの投稿がきっかけで採用された「例外的な」経路
- 事例5:42歳・子育て中。条件を3つに絞り、パートで内定
- 事例6:46歳。一度は失敗し、1年後にコーダーとして声がかかった
- 6人の体験から編集部が整理した、40代の転職で目立った点
- 今の経験と生活の条件から、進め方を無料で整理する
- 40代・未経験で準備するときの5つの確認
- よくある質問
- 40代からの学び方と働き方を相談する
- 参照した本人記事
40代でWeb系職への転職・内定を報告した6人の概要
今回確認したのは、転職時の年齢を本人が40〜46歳(1人は「40代」)と書いている6人です。職種も雇用形態も、仕事を得た経路もそれぞれ違います。事例3は前の会社でWeb制作業務を、事例4はWeb系のフリーランスを、事例6は副業でWebの案件を経験してから入社しており、全員がWebの仕事をまったく知らなかったわけではありません。事例5の内定先はWebデザイナーではなく、Web・EC業界の営業サポートなどです。
| 事例 | 年齢・前職 | 準備と応募(本人の記載) | 結果(本人の記載) |
|---|---|---|---|
| 事例1 | 40歳。介護事務9年。保育園の送迎があり残業できない | スクールで学び、作品集を約5か月更新。約8か月で36件応募、面接9件 | 制作会社にパートで採用。実績次第で正社員登用の予定 |
| 事例2 | 44歳。美容師・営業職 | 学習開始の7か月後から職業訓練。作品集を約10か月改修。45社に応募 | 2社から内定。第一志望のWeb制作会社へ |
| 事例3 | 40歳。旅行会社(社内でWeb制作業務を経験) | ブログとWebライターで約2年独学。100社以上に応募、半年以上 | Webマーケティング会社にSEO担当として入社 |
| 事例4 | 40代。言語聴覚士→Web系フリーランス1年8か月 | ブログ260記事。SNSの投稿から募集を知り応募(2020年) | 企業グループのWebマーケティング担当に採用 |
| 事例5 | 42歳。サービス業の正社員。子育て中 | 条件を3つに絞り、Webを学びながら4社に応募 | Web・EC業界の営業サポートなど2社からパートの内定 |
| 事例6 | 46歳。スーパーの水産部門で商品開発11年 | 独学と講座。約200件にエントリーしたが最初の転職活動は不成功、副業で案件を受ける | 約1年後、以前不採用だった会社からコーダーとして声がかかる |
6人とも本人が書いた記事、または本人の回答が分けて書かれたインタビューの本文を確認しました。応募数・内定・採用理由は本人の申告で、独立した確認はしていません。事例1・2はスクールや職業訓練を利用しています。事例3・5のブログには広告やアフィリエイトリンクがあり、事例6はスクールの運営元が公開した卒業生インタビューです。うまくいった人の体験が発信されやすい点に注意してください。
事例1:40歳・子育て中。36件応募し、パートから採用
筆者はスクールに入ったときが39歳、転職活動のときが40歳でした。前職は介護事務を9年、保育園の送迎があるため残業はできないという条件です。Webデザインを学んだあと、ポートフォリオを約5か月更新しながら、2024年7月から2025年3月半ばまで転職活動をしました。[1]
本人の記載では、36件に応募して面接は9件、内定を取り消された経験もありました。保育園の就労証明の期限については自治体に相談して延長してもらい、応募を続けています。最終的にハローワーク経由で、自宅から近く、Webデザインとグラフィックの仕事をする制作会社に採用されました。最初はパートで、実績しだいで正社員に登用される予定と書いています。[1]
この方は、残業できない、自宅から近いといった条件に合う求人を探しながら、約8か月かけて活動しています。最終的にはパートから始める形で採用されました。保育園の扱いは自治体によって違うため、同じ対応ができるとは限りません。

事例2:44歳。45社に応募して、2社から内定
筆者は美容師と営業職を経験し、43歳まではデザインと関係のない仕事をしていました。2024年2月にWebデザインの学習を始め、同じ年の9月から職業訓練に通い、約10か月かけてポートフォリオを添削してもらいながら直しています。[2]
2025年2月からは、デザイナーの正社員に絞って転職活動を始めました。本人の記載では、転職エージェント経由で40社、X(旧Twitter)経由で3社、ハローワーク経由で2社、合計45社に応募し、2社から内定を得ています。ほかに、ポートフォリオを見た会社からのオファーもあったそうです。第一志望のWeb制作会社に入ると書いており、記事の時点では入社前でした。[2]
45社に応募して内定2社という数字は、40代の転職で応募数を多めに見込んでおく参考になります。なお、会社が評価した理由として書かれている内容には本人の推測も含まれます。

事例3:40歳。ブログを2年続けて、Webマーケティング会社へ
筆者は旅行会社で、自社の旅行販売サイトのマーケティングに関わり、社内異動を希望してWeb制作の仕事も経験しました。そのうえでWebマーケティングを学ぶためにブログを始め、ブログとWebライターの仕事を通じて約2年間独学しています。[3]
40歳での転職活動は、本人の記載で100社以上に応募し、半年以上かかる難航ぶりでした。最終的にWebマーケティング会社に入り、SEO担当として仕事を任されています。本人は、ブログやWebライターの取り組み、独学の姿勢、前職のスキルが評価されたと振り返っています。[3]
この例のポイントは、ブログを「学習の記録」だけでなく、実際に手を動かした証拠として見せたことです。ただし、評価された理由は本人の受け止めで、会社側の説明ではありません。記事には広告やアフィリエイトリンクも含まれます。
事例4:40代。SNSの投稿がきっかけで採用された「例外的な」経路
筆者は前職が言語聴覚士で、その後1年8か月、Web系のフリーランスとして働きました。仕事の進め方やスキルに自信が持てず、会社で経験を積みたいと考えていたところ、Webのイベントに参加した記事をTwitterに投稿し、その反応からWebマーケティングの責任者を募集している人とつながりました。応募したその日の面談で採用が決まったといいます(2020年の記事)。[4]
本人は、ブログ260記事、最高で月8万PV、最高月収5万円といった実績が、Webマーケティングを理解している根拠として伝わったと説明しています。一方で、この経路は非常にイレギュラーで運もあった、と本人自身が書いています。[4]
同じ方法で採用されるとは限りませんが、自分の活動を外に発信していたことが、思わぬつながりを生んだ例として読めます。
事例5:42歳・子育て中。条件を3つに絞り、パートで内定
筆者は新卒からホテルなどのサービス業で正社員として働いてきましたが、結婚・出産後、土日の勤務で家族との時間が減ることや将来のキャリアに悩み、42歳で転職を決めました。「土日祝休み」「自宅の近くか在宅」「成長できる仕事」の3つを条件に決め、Webの分野を学びながら、正社員とパートを限定せずに活動しています。[5]
本人の記載では、4社に応募し、印刷・Web業界の営業事務と、Web・EC業界の営業サポートの2社からパートの内定を得ました。応募書類ではマネジメント、営業、コミュニケーションの経験を説明し、子育てとの両立の条件も面接で伝えたそうです。パートになることで、一時的に収入は下がるとも書いています。[5]
これはWebデザイナーではなく、Web・EC業界の周辺の仕事から入った例です。記事は働き始める前に書かれているため、その後の様子は分かりません。

事例6:46歳。一度は失敗し、1年後にコーダーとして声がかかった
けんじさんは、地元のスーパーの水産部門で約11年、商品開発を担当していました。独学のあと、Webデザイン、Web制作、転職支援の講座を受けて転職活動をしましたが、本人によると約200件にエントリーしたものの、最初のWebデザイナーへの転職はうまくいきませんでした。[6]
そこで方向を変え、副業でWebデザインやディレクションの案件を受けていたところ、約1年後、以前は不採用だった会社からコーダーとして声がかかり、46歳で入社を決めています。作品づくり、コンペへの参加、模擬面接、Wantedlyのプロフィールの添削などをしていたと本人は話しています。[6]
本人の話では、最初の転職活動がうまくいかなかったあとも副業で案件を受けており、約1年後に声がかかったという流れでした。採用の理由を会社側が説明しているわけではありません。ただし、このインタビューはスクールの運営元が公開した卒業生の成功例で、記事の最後に受講の案内があります。
6人の体験から編集部が整理した、40代の転職で目立った点
6人の記事を並べると、次の4つが繰り返し出てきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、うまくいった人が中心の6人の記事から、何が採用の決め手になったかを断定することはできません。
- 応募数と期間を多めに見込んでいる:36件(事例1)、45社(事例2)、100社以上・半年以上(事例3)、約200件(事例6)と、多くの応募を重ねた人がいます。一方、条件を絞って4社に応募した人(事例5)もいます。[1][2][3][5][6]
- 雇用形態や職種の入り口を広げている:パートからの開始(事例1・5)、デザイナーからコーダーへの方向転換(事例6)、Web周辺の営業サポート(事例5)がありました。[1][5][6]
- 実際に手を動かした証拠を見せている:作品集の継続的な改修(事例1・2)、ブログや副業の実績(事例3・4・6)が書かれています。[1][2][3][4][6]
- 勤務条件を先に決めている:子育て中の2人は、残業の可否や休日、勤務地の条件をはっきりさせたうえで応募しています。[1][5]
一方で、40代で応募を続けても決まらなかった人、学習をやめた人がどれくらいいるかは、この6人の記事からは分かりません。30代で同じように未経験から移った人の体験は30代未経験からWeb系の仕事に就ける?本人4人の体験から現実と準備を整理でまとめています。
40代・未経験で準備するときの5つの確認
ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

- 応募数と期間の見込み:数十社の応募や半年以上の活動になる可能性も考え、生活費や今の仕事との兼ね合いを先に決めておきます。
- 譲れない勤務条件:残業、休日、勤務地、在宅の可否など、どれを優先するかを決めます。条件が多いほど、応募できる求人は減ります。
- 入り口の広げ方:正社員だけでなくパートや契約社員、デザイナーだけでなくコーダーやWeb担当、営業サポートなど、どこまで広げるかを考えます。
- 見せられる実績:作品集、ブログ、副業の案件など、学んだことを形にして見せられるか。作品集は一度作って終わりにせず、直し続けた人もいます。
- 前職の経験の説明:マネジメント、営業、商品開発、サイト運営など、これまでの経験を応募先の仕事にどうつなげるかを言葉にします。
作品集の中身は未経験Webデザイナーのポートフォリオは何を載せる?、学び方の選び方はWebスキルのスクールは必要?受講した4人の体験から選び方を整理、スクールを選ぶときの注意点はWebスクールで後悔した人の体験は?も参考になります。
よくある質問
40代から未経験でWeb系を目指すのは遅いですか?
今回確認した6人は40〜46歳で、Web系職への採用・内定を報告しています(Webに触れた経験の程度は人によって違い、2人は働き始める前の記事です)。ただし、うまくいった人の個別の体験で、同じ年代の人がどれくらいの割合で転職できているかは分かりません。年齢だけで判断せず、応募の見込みと実績づくりを先に考えるのがおすすめです。
40代だと正社員は難しいですか?
今回の6人の中には、正社員で採用された人も、パートから始めた人もいます。どちらが多いかは6人の記事からは判断できません。雇用形態の条件をどこまで広げるかは、家計と生活の条件で決めてください。
スクールや職業訓練は必要ですか?
一律に必須とは言えません。今回は、スクールや職業訓練を利用した人も、ブログや副業で独学を続けた人もいます。どの方法が採用につながったかは、6人の記事だけでは判断できません。
子育て中でも転職活動はできますか?
今回の事例1と事例5は、子育てをしながら転職活動をしています。2人とも、残業の可否や休日、勤務地などの条件をはっきりさせてから応募しました。保育園の就労証明などの扱いは自治体によって違うため、お住まいの自治体に確認してください。
参照した本人記事
- [1] 40歳子持ち未経験だけどWebデザイナーになりたいんです!~転職活動編~(note)。本文を確認。公開日:2025年3月25日。応募・面接数、雇用条件は本人申告。スクール受講歴あり。
- [2] 44歳未経験からWebデザイナーへ!転職活動記(note)。本文を確認。公開日:2025年3月31日。応募・内定数は本人申告。職業訓練を利用。
- [3] 40歳未経験で転職した私が解説!ブログがWebマーケティング転職に役立つ理由(ブログ)。本文を確認。公開日:ページに表示なし(更新日:2025年12月5日)。応募数・評価理由は本人申告。広告・アフィリエイトリンクを含む。
- [4] 40代未経験でフリーランスからWebマーケ担当に転職した話(ブログ)。本文を確認。公開日:2020年3月8日。PV・収益は本人申告。本人が例外的な経路と明記。
- [5] 〖転職体験談〗42歳ワーママがWEB業界のパートに採用された方法を公開!(ブログ)。本文を確認。公開日:2025年3月10日。就労開始前の記事。アフィリエイト広告を含む。
- [6] 〖体験談〗転職挫折後に、企業からのオファーでWeb制作会社のコーダーに!46歳で転職成功したストーリーに迫る(スクール運営元のインタビュー)。本人の回答部分を確認。公開日:2025年8月26日。卒業生の成功事例で、受講案内を含む。

