会社員の副業からWeb制作やデザインのフリーランスとして独立した7人を比べると、独立したときの準備は、単発の売上だけで辞めた人から、生活費や家族との約束、戻る条件まで決めてから辞めた人まで、大きく違いました。独立後には、仕事が集中して余裕がなくなった、単発の案件が終わって仕事が空いた、入金が遅れた、といった体験が書かれています。7人のうち1人は会社員に一度戻り、もう1人はもとの仕事(看護師)に戻っていました。
この記事では、副業から独立した7人の本人の記事をもとに、独立したときの状態、独立後に起きたこと、続けるために変えたことを整理します。ただし、金額はどれも本人の申告で、売上・所得・手取りの区別ははっきりしません。7人のうち多くは、記事の時点でフリーランスを続けている人や、自分のサービスを発信している人です。
- 副業から独立した7人の、独立したときの副業の状態
- 独立後に起きたこと(仕事の集中・空白・入金の遅れ)
- 会社員やもとの仕事に戻った2人の体験
- 独立する前に確かめたい5つのこと
- 7人の体験の概要
- 事例1:単発の合計約10万円で退職。約7か月後に開業届
- 事例2:副業の半年で売上約30万円から独立。7月に仕事が集中して受ける数を減らした
- 事例3:副業で年99万円以上。独立後に看護師へ戻った
- 事例4:会社員20年、副業を約1年続けて38歳で独立
- 今のスキルと学び方を、無料Zoom相談で整理する
- 事例5:40代。1回目は半年で会社員に戻り、2回目は条件を決めて独立
- 事例6:フルタイムの会社員で3人の子育て中。退職まで半年以上かけて準備
- 事例7:退職前の半年で売り方を試した。時給は近づいたが、収入はまだ
- 7人の体験から編集部が整理した、独立の前と後で見えた点
- 副業からフリーランスとして独立する前に確かめたい5つのこと
- よくある質問
- 自分に合う仕事と学び方を相談する
- 参照した本人記事
7人の体験の概要
7人の記事を一覧にしました。どの例も本人の記載です。
| 事例 | 独立したときの状態 | 独立後に起きたこと | 記事の時点 |
|---|---|---|---|
| 事例1 | 単発の案件の合計で約10万円。継続の契約はなし(24歳) | 納品と入金のずれ、低い単価、税金、単発が終わったあとの空白 | 約7か月後に開業届。1年後も続けていた |
| 事例2 | 副業の半年で売上約30万円、実績10件未満、業務委託先0社 | 案件が集中して余裕がなくなり、受ける数を意図的に減らした | 1年目の売上約320万円(本人の申告) |
| 事例3 | 副業を2年以上、月5万円ほど。2024年は合計99万円以上(看護師) | 収入の約6割の取引先から連絡が途絶え、提案と返信待ちに疲れた | 看護師に戻った |
| 事例4 | 副業を約1年。独立時の副業の収入は書かれていない(38歳) | 書かれていない | 独立して3年目 |
| 事例5 | 1回目:副業月約10万円、貯金20〜30万円、家族の合意が不十分(40代) | 1回目は売上が伸びず、半年で会社員に戻った | 2回目の独立を続けている |
| 事例6 | 副業の収入を得始めてから、退職まで半年以上かけて準備(30代半ば) | 平日の日中を中心に働き、育児と両立 | 収入は書かれていない |
| 事例7 | 退職前の半年、ストック収入とココナラを試した。会社員として働いたあと、Canvaの公式クリエイターに合格 | 0歳児を家で見ながら1日2〜3時間の仕事 | 時給は会社員のころに近づいたが、収入はまだ届いていない |
事例5は本人が運営するサイト、ほかの6人は本人のnoteで、本文を確認しました。金額・期間は本人の申告で、独自には確認していません。売上と所得(経費を引いたあと)、手取りの区別は、7人とも書かれていないか、はっきりしません。事例2・3・6・7は本人のサービスや販売への案内、事例4は本人の講座の案内があり、宣伝と関係があります。事例7はCanvaの公式クリエイターに合格してから独立した人で、未経験から始めた人とは条件が違います。
事例1:単発の合計約10万円で退職。約7か月後に開業届
筆者は広告代理店で企画営業として働きながら、独立を目指すスクールでWebデザインとSNSでの集客を半年学び、卒業と同じ月に退職しました。退職したときに見込めたデザインの収入は、毎月の決まった額ではなく、単発の案件の合計で約10万円で、継続の契約はなかったといいます。[1]
退職前から知人やSNSで活動を伝えていて、独立してすぐにWebサイトやチラシなどの仕事を受け、約3か月後に業務委託の契約を結びました。約7か月後に、デザインだけで生活できそうだと考えて開業届を出したそうです。一方で、納品と入金の時期のずれ、低い単価、税金の負担、単発の案件が終わったあとの仕事の空白も経験し、その後は毎月決まった継続案件を増やしたと書いています。[1]
勢いで辞めて、あとから継続案件を増やした例です。本人は振り返りとして、生活費3か月分、業務委託1件、継続の収入を最低限の目安に挙げています。投稿の時点で24歳(もうすぐ25歳)で、独立して1年の振り返りです。2022年11月の投稿です。

事例2:副業の半年で売上約30万円から独立。7月に仕事が集中して受ける数を減らした
筆者は未経験からWebデザインを始め、副業の半年間で売上約30万円、実績10件未満、業務委託先0社の状態で、デザイン一本でいくと決めて独立しました。[2]
開業1年目は、本人の申告で売上約320万円、一番多い月で約60万円、制作101件、業務委託先3社になったそうです。年の初めは営業・提案・制作を同時に進め、子どもの体調が悪いときは睡眠や休みを削ったといいます。7月に案件が集中して余裕がなくなり、8〜9月は受ける数を意図的に減らして、手伝ってくれる人を不定期で入れ、質と続けやすさを優先しました。その後は、リピートや紹介が増えたと書いています。[2]
独立後に仕事が増えすぎて、受ける量を調整した例です。売上は経費を引く前の数字で、手取りは分かりません。記事には仕事の相談への案内があります。2025年12月の投稿です。
事例3:副業で年99万円以上。独立後に看護師へ戻った
筆者は看護師で、給与が減った分を補うために約37万円のノーコードのWeb制作講座に入り、3か月目にクラウドソーシングで3ページ1万5,000円の初案件を受けました。Webの副業を2年以上続けて月5万円ほどを保ち、2024年は複数のサービスを合わせて99万円以上になったそうです。[3]
看護師として働く中で肺炎で入院したあと、退職してフリーランスになりました。しかし、副業の収入の約6割を占めていた継続の取引先から連絡が途絶え、1日20件以上の提案、案件の波、相手の返信待ちによる作業と入金の遅れに疲れ、看護師に戻ったといいます。今もときどきWebの仕事を受けますが、生活の軸にはしないと書いています。[3]
副業の収入が一つの取引先に偏っていた例です。記事のタイトルは100万円ですが、本文に書かれている金額は99万円以上です。講座を前向きに紹介し、副業の準備を発信しているアカウントです。2026年3月の投稿です。

事例4:会社員20年、副業を約1年続けて38歳で独立
筆者は18歳からシステムエンジニアとして会社に20年勤め、38歳でWebサイト制作の仕事で独立しました。副業のためにHTMLとCSSを約6か月学び、クラウドワークスで約20件応募して、約1,000円の初案件を受けたそうです。[4]
その後、約半年は会社員を続けながらクラウドソーシングの案件をこなし、一部は継続の依頼になりました。副業を始めて1〜2か月後にコミュニティに入り、活動を続けるうちに副業の収入が少しずつ上がって、本業の時間を惜しいと感じるようになり、副業を約1年続けたところで退職したといいます。投稿の時点では独立して3年目で、制作の仕事に加えて講座の販売にも取り組んでいました。[4]
会社員のうちに、継続の依頼が生まれるかを試した例です。独立したときの副業の月収や、生活費、貯金、独立後の売上は書かれていません。本人の講座などの案内があります。2023年8月の投稿です。
事例5:40代。1回目は半年で会社員に戻り、2回目は条件を決めて独立
筆者は40代で、副業が月約10万円、自分の貯金20〜30万円、家族と十分に話し合えていない状態で、Web制作の仕事で1回目の独立をしました。しかし売上が伸びず、半年で会社員に戻ったそうです。[5]
会社員に戻って半年後、副業が月20万円を超え、翌月は30万円を超えました。2回目の前には、月20万円以上を数か月続け、平均で約30万円になることを確認したといいます。自分の貯金に加えて家庭から100万円を借り、毎月5万円ずつ返すこと、挑戦の期限を1年とすること、お金が尽きたら会社員に戻ることを、家族に数字で説明してから2回目の独立をし、投稿の時点でも続けていると書いています。[5]
同じ人が、1回目と2回目で準備を大きく変えた例です。本人は「生活費1年分と副業月20万円」を自分の経験からの目安としていますが、誰にでも当てはまる基準ではありません。本人のWeb制作サービスにつながるサイトです。2026年7月の投稿です。
事例6:フルタイムの会社員で3人の子育て中。退職まで半年以上かけて準備
筆者は30代半ばで、営業の仕事と3人の子育ての両立が大変だったことから、Webデザインを学び始めました。朝の30分と、子どもを寝かしつけたあとの2〜3時間を使ったそうです。学び始めて約6か月後、先輩デザイナーのアシスタントとして、WordPressでの実装約8万円、小さなサイトのデザインと実装約5万円などの仕事を受けたといいます。[6]
副業の収入を得始めて独立を決め、退職までの半年以上で、業務委託の取引先、当面の生活費、パートとの掛け持ち、固定費の見直し、紹介や継続の契約を準備しました。独立後は平日の8時半〜16時を中心に働き、仕事と育児を両立できたと書いています。一方で、もっと時間をとれる会社に転職して、副業の期間を延ばす選択もあったと振り返っています。[6]
収入だけでなく、生活費や掛け持ちまで準備してから辞めた例です。独立したときと今の収入、貯金、継続の契約の数は書かれていません。記事の最後に本人の販売商品への案内があります。2025年4月の投稿です。

事例7:退職前の半年で売り方を試した。時給は近づいたが、収入はまだ
筆者は会社員として働いたあと、2人目の産休・育休、Canvaの公式クリエイターへの合格、得意な分野がはっきりしたことをきっかけに、退職してフリーランスになりました。退職前の約半年で、テンプレートなどのストック収入とココナラを試し、イラストやチラシの相談、ココナラでのアイコンの似顔絵で、3か月後にシルバーランクになる手応えを確かめたそうです。[7]
独立1年目は、0歳の子どもを家で見ながら1日2〜3時間働き、Canvaのテンプレートを約500個公開しました。最初はお小遣いほどだったストック収入が一つの柱になり、時給は会社員のころに近づいたものの、会社員のころの収入に届くことは、これからの目標だと書いています。[7]
時給と月の収入を分けて振り返っていた例です。Canvaの公式クリエイターに合格してから独立した人で、未経験からの独立とは条件が違います。具体的な金額は書かれていません。2026年9月の投稿です。
7人の体験から編集部が整理した、独立の前と後で見えた点
7人の記事を並べると、次の4つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、7人全員がすべてに触れているわけではありません。また、7人の記事だけで、何があれば独立がうまくいくかを断定することはできません。
- 副業の売上だけでは分からないことがある:事例3は副業で年99万円以上ありましたが、収入の約6割が一つの取引先で、その連絡が途絶えました。[3]
- 独立後の仕事の量は波がある:事例1は単発が終わったあとの空白を、事例2は案件の集中を経験し、事例3は案件の波や返信待ちに疲れました。[1][2][3]
- 入金の時期がずれる:事例1は納品と入金のずれを、事例3は返信待ちによる入金の遅れを書いています。[1][3]
- お金と家族と戻る条件を決めていた例:事例5の2回目は、貯金、家族からの借入と返し方、期限、戻る条件を決め、事例6は生活費やパートとの掛け持ちを準備していました。[5][6]
反対に、7人のうち多くは独立を続けている人で、独立をやめた人の体験は事例3と事例5の1回目だけです。どれくらいの人が独立を続けられるかは分かりません。フリーランス1年目の体験はWeb制作・Webデザインのフリーランス1年目は?、副業をやめた人の体験はWebデザインの副業やフリーランスをやめた・立ち止まった5人の体験は?でまとめています。
副業からフリーランスとして独立する前に確かめたい5つのこと
ここからは、7人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。7人がこの5つを勧めているわけではありません。

- 続く収入があるか:単発の合計ではなく、毎月決まって入る継続の仕事がいくつあるかを確かめます。
- 取引先の偏り:収入の多くが一つの取引先に偏っていないかを見ます。
- 生活費と入金の時期:何か月分の生活費があるか、納品から入金までどれくらいかかるかを確かめます。
- 家族との話し合い:お金の使い方や期限を、家族と数字で話し合えているかを考えます。
- 戻る条件:うまくいかなかったときに、いつ、どんな条件で会社員などに戻るかを決めておきます。
会社員のうちに副業を始めるときの確認は会社員の副業は会社にバレる?、副業の時間の作り方は会社員の副業時間の作り方で紹介しています。
よくある質問
副業でいくら稼げたら独立できますか?
今回の7人では、単発の合計約10万円で辞めた人(事例1)から、副業で平均月約30万円を確認してから2回目の独立をした人(事例5)まで、大きく違いました。事例3は副業で年99万円以上ありましたが、独立後にもとの仕事に戻っています。金額だけでは判断できず、一般的な目安も分かりません。
独立したあと、何に困りましたか?
今回の7人では、仕事が集中して余裕がなくなった(事例2)、単発の案件が終わって仕事が空いた(事例1)、取引先から連絡が途絶えた・返信待ちで入金が遅れた(事例3)、売上が伸びなかった(事例5の1回目)といった体験がありました。
独立に失敗したら、会社員に戻れますか?
事例5は1回目の独立のあと半年で会社員に戻り、事例3は看護師に戻りました。2人の例で、戻りやすさは職種や年齢などで違う可能性があります。事例5は2回目の独立の前に、お金が尽きたら会社員に戻るという条件を決めていました。
参照した本人記事
- [1] 会社を辞めて1年|未経験フリーランスデザイナーの”今”を語ります。(note)。本文を確認。公開日:2022年11月10日。金額は本人申告。
- [2] フリーランスWebデザイナー|昨年から激変の開業1年目の記録(note)。本文を確認。公開日:2025年12月31日。売上・件数は本人申告。仕事の相談への案内あり。
- [3] 〖Webデザイナー副業1年間で100万円〗副業に成功した看護師が副業を辞めた理由(note)。本文を確認。公開日:2026年3月29日。受講料・収入は本人申告(本文の金額は99万円以上)。
- [4] よしおの会社員20年からの独立ロードマップ(note)。本文を確認。公開日:2023年8月29日。本人の講座などの案内あり。
- [5] 40代未経験からWeb制作フリーランスは可能か?2度の独立でわかった現実と続けるための設計(本人のサイト)。本文を確認。公開日:2026年7月19日。金額は本人申告。
- [6] フルタイム会社員ママが副業からWebデザインを始めて独立するまでのロードマップ(note)。本文を確認。公開日:2025年4月9日。本人の販売商品への案内あり。
- [7] 会社員からフリーランスになった1年目の手応え。(note)。本文を確認。公開日:2026年9月13日。収入額は書かれていない。

