「30代で、しかも実務未経験からWeb系の仕事に就けるのだろうか」。学び始める前や応募を考え始めた段階で、年齢が気になって手が止まる人は少なくありません。そこで、30代前半で未経験からWebデザイナーやWebマーケターとして働き始めた4人が、自分で書いた体験記事を確認しました。
先に結論をいうと、4人の記事から「30代だから無理」とは読み取れませんでした。ただし、4人とも楽に決まったわけではありません。不採用が続いた時期、時短などの条件で求人が大きく減った経験、最初の会社を短期間で辞めた例もあります。この記事は公開された4人の個別例であり、30代の転職成功率や年収の見込みを示すものではありません。
- 30代・実務未経験からWeb系の仕事へ移った4人の準備と応募の実際
- 年齢そのものより選択肢を狭めた条件(成果物、時短、職種のずれ)
- 前職の経験をWebの仕事につなげて説明した方法
- 内定をゴールにしないために、入社前に確認したいこと
30代・未経験からWeb系に移った4人の概要
今回確認したのは、転職時の年齢を本人が30〜33歳と明記している4人です。前職も、目指した職種も、準備の方法もそれぞれ違います。
| 事例 | 年齢・前職 | 準備したこと | 本人が書いている結果 |
|---|---|---|---|
| 事例1 | 30歳。公務員を退職後、動画編集のフリーランス | 自己分析、条件の優先順位づけ、応募書類。エージェント等から16社に応募 | 1社から内定し、事業会社のWebマーケティング担当へ |
| 事例2 | 33歳。食品メーカー出身で、転職活動時は派遣の事務。育児中で時短勤務を希望 | 約1年のWebデザイン学習とポートフォリオ添削。応募軸の見直し | 約2か月の活動で、日用品ブランドの事業会社にWeb担当として採用 |
| 事例3 | 30歳。前職は計画・調整に関わる仕事 | 半年間の求職者支援訓練でHTML・CSSと応募書類を学ぶ | 最初の会社を1週間で退職後、別の会社へ。LPや自社ECまで担当が広がる |
| 事例4 | 31歳。広告の営業・原稿制作、営業事務。会社員ブランク2年半 | 3か月の職業訓練、ブログと制作物のポートフォリオ | 約20社に応募し、Webデザイナーとして2社から内定。制作会社へ就職 |
4人とも本人が公開したnote・ブログの本文を確認しました。応募数・内定数・担当業務は本人の申告で、独立した確認はしていません。記事の公開時期は2020〜2026年で、当時の求人状況に基づく個別例です。事例1・4の記事には本人のサービスやアフィリエイトへの導線があり、うまくいった経験が発信されやすい点にも注意してください。
事例1:30歳、動画編集フリーランスからWebマーケターへ
ヒュウガさんは地方公務員を辞めたあと、ワーキングホリデーと動画編集のフリーランスを経験しました。本人によると、フリーランス時代の収入は月10万〜15万円ほどで伸び悩み、学ぶことばかり増えて行動に移せない状態だったといいます。そこで30歳のとき、Webマーケティングの実務は未経験のまま会社員として転職することを決めました。[1]
転職活動では、自己分析をしたうえで「転職で何を優先するか」を整理し、エージェント、Wantedly、知人の紹介を使って16社に応募しています。内定は1社でした。採用先がYouTubeでの集客を始めたいタイミングだったため、動画編集の経験が評価されたと本人は振り返っています。入社後はWeb広告、ステップメール、YouTubeの企画・改善を経験しました。[1]
参考になるのは、前職の経験を「捨てる」のではなく、応募先がいま困っていることに結びつけた点です。一方で、16社に応募して内定は1社という数字も本人が書いています。1社目の応募で決まるとは限らない前提で、応募数と期間を見込んでおく必要があります。
事例2:33歳、育児と時短条件で求人が大きく減った
イトウさんは32歳の春からWebデザインを学び、33歳の夏に転職活動を始めました。当時は派遣で事務の仕事をしていました。夫の転勤の可能性と保育園に通う子どもの育児があり、時短のパートか派遣を希望していました。ところが、実務未経験に時短という条件が加わると応募できる求人がほとんどなく、書類選考で落ちる状態が続いたといいます。[2]
ポートフォリオの添削は受けていたものの、本人は「自己分析と企業研究をしないまま応募先がぶれていた」と振り返っています。そこで、過去に勤めていた食品メーカーでの経験を整理し、「自社の商品を育てる側でデザインに関わりたい」と応募の軸を決め直しました。その約1週間後、日用品ブランドの事業会社にWeb担当として採用されています。活動期間は約2か月でした。[2]
この例からは、30代の転職では年齢だけでなく、勤務時間、勤務地、雇用形態といった条件の組み合わせが選択肢を狭めることが分かります。条件をすべて満たす求人を待つのか、どれかを一時的にゆるめるのかは、家庭の事情によって答えが変わります。

事例3:30歳、職業訓練を経て入った会社を1週間で退職
はるひなパパさんは30歳でWebデザイナーを目指しましたが、学習の成果物がほとんどない段階では、正社員だけでなくアルバイトの応募も通りませんでした。公共職業訓練は筆記試験で不合格になり、求職者支援訓練に切り替えて半年間通学し、HTML・CSSと応募書類の作り方を学んでいます。[3]
転機になったのは、前職で身につけたスケジュール管理や調整の経験を、Web制作の仕事に役立つ力として履歴書に書き直したことでした。面接に進める回数が増え、Webデザイナーとして採用されます。しかし最初の会社では、勤務時間を実際より短く記録するよう求められたと本人は書いており、1週間で退職しました。その後、別の会社に入り、サイト更新からLP制作、自社ECの立ち上げ、グループ会社のサイトリニューアルまで担当が広がったといいます。[3]
ここから言えるのは、「未経験可」の求人でも学習や成果物が不要という意味ではないこと、そして内定はゴールではないことです。勤怠についての指示は本人の認識であり、会社側の説明は確認できません。それでも、入社前に労働条件や勤怠の扱いを確認しておく大切さは読み取れます。

事例4:31歳、会社員ブランク2年半から制作会社へ
さやさんは31歳で、海外滞在などにより会社員としてのブランクが2年半ありました。前職はホットペッパーの営業・原稿制作と、半導体メーカーの営業事務です。3か月の職業訓練でHTML、CSS、制作ツールを学び、ブログ、卒業制作、名刺をポートフォリオに載せて約1か月の転職活動をしています。[4]
応募では、広告原稿を作っていた経験を「情報を分かりやすく伝えて行動につなげる経験」と言い換えて説明しました。本人の申告では、約20社に書類を出して15社が通過し、Webデザイナーとして2社から内定を得て制作会社に入っています。一方で、Webデザイナーに応募したのにWebディレクター職を提案されることも多かったと書いています。[4]
職種名が違う提案を受けたときは、仕事内容が自分の目標とどう違うかを確認する必要があります。なお、この記事は2020年当時のもので、本文にはスクールや転職サービスへの紹介リンクが多く含まれます。数字は一つの例として読んでください。
4人に共通していたこと、分からないこと
4人の記事を並べると、準備や転機として書かれていた要素がいくつか重なります。以下は、それを編集部が3点に整理したものです。4人とも3点すべてに触れているわけではなく、うまくいった4人の記事だけでは、これらが採用・不採用を分けた原因だとは判断できません。
- 見せられる成果物があるか:事例3は成果物がない段階で応募が通らず、事例4はブログや制作物をそろえて応募しました。[3][4]
- 過去の経験を、応募先選びやアピールに結びつけたか:事例1・3・4は、動画編集、段取り力、広告原稿の経験を応募先へのアピールや採用理由として書いています。事例2は、過去の食品メーカー勤務から「自社商品を育てる側で関わりたい」という応募先を選ぶ軸を見つけたと書いており、面接でどう説明したかまでは書かれていません。[1][2][3][4]
- 条件の優先順位が決まっているか:事例1は優先する条件を整理し、事例2は時短条件と応募軸の関係に向き合いました。[1][2]
一方で、4人の記事からは分からないこともあります。応募しても決まらなかった人、学習を途中でやめた人がどれくらいいるかは分かりません。4人中3人がWeb制作・デザイン系で、マーケティング系は1人です。30代後半の例は含まれていません。年収の変化も、4人とも比較できる形では書いていません。
未経験からWebデザイナーになるまでの準備全般は未経験からWebデザイナーへ転職できる?3人の体験談から現実を整理、ポートフォリオの中身は未経験Webデザイナーのポートフォリオは何を載せる?で詳しく整理しています。
30代・未経験で準備するときの5つの確認
ここからは、4人の体験談を参考に編集部が整理した確認項目です。4人が全員この5つを勧めているわけではありません。

- 譲れない条件と、ゆるめられる条件:勤務時間、勤務地、雇用形態、年収のうち、どれを優先するかを先に決めます。条件が多いほど応募できる求人は減ります。
- 見せられる成果物:学習した内容を、ポートフォリオやブログ、実際に作ったものとして見せられるか。事例3では、成果物がない段階では応募が通らなかったと書かれています。
- 前職の経験の言い換え:前職で何をしてきたかを、応募先の仕事で役立つ力として説明できるか。職種が違っても、顧客理解、段取り、情報を伝える力などは接点になります。
- 求人の職種名と仕事内容:「Webデザイナー」「Web担当」「Webディレクター」は会社によって仕事の範囲が違います。提示された職種が目標とずれていないかを確認します。
- 入社前の労働条件:勤怠の扱い、残業、試用期間、担当業務を入社前に確認します。事例3のように、入ってから違和感に気づくこともあります。

学び方で迷っている場合はWebスキルのスクールは必要?受講した4人の体験から選び方を整理やWebデザインは独学・スクールどっち?職業訓練も含む選び方も参考になります。営業経験からWebマーケティングへ進んだ例は営業からWebマーケティングへ進むには?でまとめています。
よくある質問
30代から未経験でWeb系を目指すのは遅いですか?
今回確認した4人は30〜33歳で未経験からWeb系の仕事に就いています。ただし、これは公開された個別例で、同じ年代の人がどれくらいの割合で転職できているかは分かりません。年齢だけで判断せず、成果物と条件の優先順位を整えることが先です。
スクールや職業訓練は必須ですか?
一律に必須とは言えません。4人のうち2人は職業訓練を利用し、1人は学習とポートフォリオ添削を受けていますが、それが結果の唯一の理由とは判断できません。目標の職種と、自分で学習を続けられるかどうかで選びます。
年収は上がりますか?下がりますか?
4人の記事では、転職前後の年収を比較できる形では書かれていません。未経験職種への転職で年収がどうなるかは、職種、会社、地域、雇用形態によって変わります。求人票と面接で確認してください。
家庭の事情で時短やリモートを希望しても大丈夫ですか?
事例2では、未経験に時短条件が加わると求人がほとんど見つからなかったと書かれています。条件を変えずに探すのか、期間を決めてゆるめるのかを家族と話し合っておくと、応募先がぶれにくくなります。
参照した本人記事
- [1] 〖体験談〗30歳未経験からWEBマーケターに転職した方法(note)。本文を確認。公開日:2022年8月20日。収入・応募数・役職は本人申告。
- [2] 30代未経験デザイナー転職活動奮闘記(note)。本文を確認。公開日:2022年12月21日。応募総数・雇用形態・収入は記載なし。
- [3] 30歳未経験でWebデザイナーになれた。でも、きれいな成功談ではなかった。(note)。本文を確認。公開日:2026年5月7日。各出来事の年・応募社数・収入は記載なし。
- [4] 〖30代未経験〗WEBデザイナーに転職できました!〖うれしい〗(ブログ)。本文を確認。公開日:2020年6月30日(更新:2021年6月7日)。応募・内定数は本人申告。アフィリエイトリンクを含む。

