Webデザイナーに転職後のギャップ|未経験で入社した6人の1年目と乗り越え方

制作会社のオフィスで色面のデザイン案を映したモニターに向かう人の後ろ姿 キャリア・転職

未経験でWebデザイナーに転職した6人が、入社後のギャップとして書いていたのは、主に「デザイン以外の技術」「チームでの仕事」「修正と締切」「任される仕事の範囲」の4つでした。入社直後の数週間から数か月に苦労した人が多い一方、先輩への質問や復習を重ねて仕事を続け、投稿の時点では6人ともWebの仕事に就いています。

この記事では、未経験から制作会社などにWebデザイナーとして入った6人の本人記事をもとに、入社後に何が想像と違ったのか、どう乗り越えたのかを整理します。ただし、事例6のように1か月で会社を辞めた例はありますが、6人とも投稿の時点ではWebの仕事を続けていて、Webの仕事そのものから早く離れた人の体験は含まれていません。

この記事で分かること

  • 未経験でWebデザイナーになった6人が書いた、入社後のギャップ
  • 最初の数か月をどう乗り越えたか
  • 1年たっても任される仕事がバナー中心だった例と、2か月で新規サイトを任された例
  • 入社前に確かめたい5つのこと

Webデザイナーに転職後、よく書かれていたギャップ

6人の記事から、編集部が入社後のギャップを4つに整理しました。どの例も本人の記載で、会社や時期によって状況は違います。

ギャップ 本人が書いていたこと 事例
デザイン以外の技術 Sass、WordPress、Git、環境構築、サーバー、コーディングなど、デザイン以外に覚えることが多かった 事例1・2・4
チームでの仕事 一人で作業するイメージだったが、分業で、会議・情報共有・発表が多かった 事例3
修正と締切 毎日の細かな修正やお客さんの要望、繁忙期の締切、質問が遅れて修正が増える悪循環 事例2・3・5
任される仕事の範囲 1年以上たってもバナー制作や更新が中心だった人もいれば、小さな修正やバナーから始まると予想していたのに初日からサイトのページを任され、2か月で新規サイトを担当した人もいた 事例2・3・5

入社前の想定をはっきり書いているのは事例2(小さな修正やバナーから始まると予想していた)と事例3(一人で作業するイメージだった)で、ほかの人は入社後に苦労した点として書いています。

6人の概要

今回確認したのは、未経験からWebデザイナーとして入社した本人が、入社後を振り返った記事です。

事例 前の仕事(本人の記載) 振り返った時点 投稿の時点
事例1 介護士を約3年。スクールとアルバイトを経て 入社2か月 制作会社のWebデザイナー
事例2 未経験からフリーランスで活動したあと 入社1年 制作会社のWebデザイナー
事例3 営業事務。スクールを経て 入社1年数か月 制作会社のデザイナー(主にバナー)
事例4 新卒で営業職。その後の会社でも約1年は営業業務 入社1年 制作会社のデザイナー
事例5 Webライターと飲食店のアルバイト。独学 デザイナー5年目の振り返り Webディレクターに転身
事例6 未経験で小規模な制作会社へ Webの仕事15年以上の振り返り 社内のWeb担当

6人とも本人のnoteやブログの本文を確認しました。仕事の内容・期間・気持ちは本人の申告で、独自には確認していません。事例1はスクール卒業生の企画記事、事例2は本人のデザインサービスへの誘導、事例5・6はアフィリエイトリンクがあります。事例6のように1か月で会社を辞めた例はありますが、6人とも投稿の時点ではWebの仕事を続けていて、Webの仕事そのものから早く離れた人の体験は含まれていません。

事例1:入社直後はSassやWordPressが分からず、1週間で辞めたいと思った

筆者は介護士として約3年働き、デザインスクールとアルバイトの期間を経て、2024年10月に制作会社のWebデザイナーになりました。転職活動では、直接応募で9社、エージェント経由で23社、Wantedlyで17社などに応募し、面接に進んだ2社のうち1社から内定を得たといいます。[1]

入社直後はSassやWordPressが理解できず、最初の1週間ほどは辞めたいと考えたそうです。それでも、調べることと先輩への質問をくり返し、入社2か月の投稿の時点では、毎日の仕事が楽しいと書いています。[1]

デザイン以外の技術に最初につまずいた例です。入社2か月時点の記録で、その後は分かりません。2024年12月の投稿です。

事例2:初日からデザインを担当。修正に心が折れかけたが、2か月で新規サイトを任された

筆者は未経験からフリーランスで活動したあと、第一希望の制作会社に入りました。最初は小さな修正やバナーづくりから始まると予想していましたが、実際は入社初日からサイトの下層ページのデザインを担当し、毎日の細かな修正やお客さんの要望に心が折れかけたものの、先輩の助言をメモして学んだといいます。[2]

2か月後には新規サイトを、5か月後には子ども向け施設の2サイトを担当し、入社3か月後を含めて何度か昇給したそうです。一方、WordPressやサーバーの設定など、スクールで扱わなかった分野には時間がかかったと書いています。[2]

早い時期から大きな仕事を任された例です。記事には本人のデザインサービスへの誘導があります。2021年5月の投稿です。

色面だけのバナー案を表示したモニターの前で付箋に修正点を記す手元
デザイン案の修正点を整理する場面(AI生成画像)

事例3:一人で作業すると思っていたが、会議や発表が多かった

筆者は営業事務からデザインスクールを経てWeb制作会社のデザイナーになり、入社1年数か月を振り返っています。一人で作業する仕事を想像していましたが、実際は分業で、会議、情報共有、発表が多く、チームでの連携が大事だったといいます。[3]

忙しい時期には、制作のスピードと品質を両立できず、締切への不安やフィードバックで落ち込んだこともあったそうです。それでも、作ることをくり返し、先輩の指摘を受けてデザインの力は上がったと感じ、仕事の楽しさに気づいたと書いています。投稿の時点で担当しているのは主にバナーの制作や更新で、サイト制作を今後の目標にしています。[3]

1年以上たっても、任される仕事の中心がバナーだった例です。2023年9月の投稿です。

会議机でノートパソコンと資料を囲んで話し合う複数人の手元
チームで制作内容を確認する場面(AI生成画像)

事例4:デザイン以外にGitやサーバーまで。仕事のあとや休日も学んだ

筆者は新卒で営業職に就いたあと、Webデザイナーになれると聞いて別の会社に移りましたが、約1年は営業の仕事だったといいます。社内の研修と独学でポートフォリオをつくり、Web制作会社に移りました。[4]

制作会社に入った直後は、デザインだけでなく、Git、開発環境の準備、サーバー側、コーディング、マーケティングを一度に学ぶ必要があり、仕事のあとや休日も学ばないとついていけないと感じたそうです。その後は少しずつデザインの仕事を任され、1年たっても自信が足りないと感じつつ、仕事を続けて毎日を楽しく過ごしていると書いています。[4]

「Webデザイナー」の仕事に、デザイン以外の技術が多く含まれていた例です。2022年12月の投稿です。

事例5:独学は自分だけ。質問が遅れて修正が増える悪循環も

筆者は大学卒業後、Webライターと飲食店のアルバイトをかけもちしながら独学でサイト制作を始め、未経験を採用する制作会社でWebデザイナーになりました。同期のなかで独学だけだったのは自分で、Photoshopの基礎から上司に教わったといいます。[5]

1年目はバナー、サイトの保守・更新、CMSを使ったサイト制作を担当しましたが、質問が遅れるとフィードバックと修正が増え、納期に遅れる悪循環も経験したそうです。追いつくために睡眠や娯楽を削って復習した時期もあったと書いています。これは本人の体験として紹介するもので、この記事では乗り越え方としては扱いません。5年間デザイナーを続け、投稿の時点でWebディレクターに転身しています。[5]

分からないことを早く聞くことが、修正や納期に関わった例です。記事には書籍のアフィリエイトリンクがあります。2024年7月の投稿です。

夜の自宅で技術書とノートパソコンを開いて学習する人の手元
仕事後に自宅で学習を続ける場面(AI生成画像)

事例6:1社目は1年半、2社目は1か月で退職。社内Web担当へ

筆者はWeb関連の仕事を15年以上続けていて、未経験で入った小規模な制作会社から今までを振り返っています。1社目ではすぐに案件を任され、バナーからサイト全体のデザインとコーディングまで広がり、約1年で役職もついたものの、社員の入れ替わりなどを理由に約1年半で転職しました。[6]

2社目は毎日遅くまで働く環境が合わず、1か月で退職し、約半年の無職の期間を経て、制作会社以外の会社の社内Web担当に移りました。そこで紙のデザイン、ロゴ、アクセス解析、マーケティングまで担当が広がったと書いています。[6]

会社によって働き方が大きく違い、合わない環境から移った例です。個別の会社の状況で、業界全体には当てはめられません。記事にはAmazonアソシエイトのリンクがあります。2022年11月の投稿です。

6人の体験から編集部が整理した、乗り越え方の共通点

6人の記事を並べると、次の3つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、6人全員がすべてに触れているわけではありません。また、6人の記事だけで、何が定着につながったかを断定することはできません。

  • 先輩に聞き、メモをとる:事例1は調べることと先輩への質問をくり返し、事例2は先輩の助言をメモして学びました。事例5は、質問が遅れると修正が増えたと書いています。[1][2][5]
  • 入社後も学び続ける:事例4は仕事のあとや休日も学び、事例2はスクールで扱わなかったWordPressやサーバーに時間をかけました。[2][4]
  • 合わない環境なら移る選択肢もある:事例6は、毎日遅くまで働く環境が合わず1か月で退職し、社内Web担当に移りました。[6]

反対に、未経験でWebデザイナーになった人のうち、どれくらいが続けているか、Webの仕事から離れた人はどんな理由だったかは、この6人の記事からは分かりません。転職するまでの準備や応募については未経験からWebデザイナーへ転職できる?でまとめています。

Webデザイナーとして入社する前に確かめたい5つのこと

ここからは、6人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。6人がこの5つを勧めているわけではありません。

Webデザイナーとして入社する前の5つの確認:デザイン以外の技術、チームの進め方、最初に任される仕事、質問しやすい環境、忙しい時期の働き方
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. デザイン以外に使う技術:コーディング、WordPress、Gitなど、入社後にどこまで使うのかを面接で聞いておきます。
  2. チームの進め方:分業かどうか、会議や発表がどれくらいあるかを確かめます。
  3. 最初に任される仕事:入社後しばらくはバナーや更新が中心なのか、サイト制作も任されるのかを聞いておきます。
  4. 質問しやすい環境:先輩に質問できる時間や、教えてもらう仕組みがあるかを確かめます。
  5. 忙しい時期の働き方:繁忙期の残業や締切の様子を、面接やカジュアル面談で聞いておきます。

応募する前の準備は20代未経験からWeb系の仕事に就ける?や30代未経験からWeb系の仕事に就ける?も参考になります。

よくある質問

未経験でWebデザイナーになると、最初はきついですか?

今回の6人では、入社直後にSassやWordPressが分からず辞めたいと思った人(事例1)や、修正に心が折れかけた人(事例2)がいます。一方、数か月たつと仕事が楽しいと書いている人も多くいました。ただし、6人とも投稿の時点でWebの仕事を続けている人の体験です。

入社してすぐにサイトのデザインを任されますか?

人によって違いました。2か月で新規サイトを任された人(事例2)もいれば、1年以上たってもバナーの制作や更新が中心だった人(事例3)もいます。入社前に、最初に任される仕事を聞いておくことをおすすめします。

デザインだけ学んでおけば大丈夫ですか?

今回の6人のうち3人は、入社後にSass、WordPress、Git、サーバーなど、デザイン以外の技術でも苦労したと書いています(事例1・2・4)。応募先でどこまで使うのかを確かめておくと安心です。

参照した本人記事

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