Webディレクター未経験の転職|9人の入り方と入社後に戸惑ったこと

オフィスの机で工程表風の色の帯を表示した画面に向かう人の後ろ姿 キャリア・転職

未経験からWebディレクターになった9人は、前の仕事が営業、接客、制作や編集などさまざまで、そのうち何人かは、人とのやり取りや段取りの経験を活かしたと書いていました。入社後に戸惑ったこととしては、専門用語、担当する仕事の範囲の広さ、想像より細かく地味な作業、前の仕事とのルールの違いが挙がっています。分からないことを一人で抱えて資料が方向違いになり、早めに確かめるように変えた人もいました。一方、数か月で提案や進行管理を担当するようになった人もいました。

この記事では、未経験からWebディレクターになった9人の本人記事をもとに、どんな経験から入り、入社後に何に戸惑い、どう慣れていったかを整理します。ただし、9人とも仕事を続けている人の体験で、9人のうち5人の記事は会社やスクールの採用・宣伝と関係があります。

この記事で分かること

  • 未経験からWebディレクターになった9人の、前の仕事と入り方
  • 入社後に戸惑ったこと(専門用語・仕事の範囲・細かな作業・前の仕事とのルールの違い)
  • 分からないことを、どう確かめるようにしたか
  • 応募の数や準備期間が書かれていた例
  • 応募前に確かめたい5つのこと

未経験からWebディレクターになった9人の入り方と、入社後に戸惑ったこと

9人の記事を一覧にしました。どの例も本人の記載です。

事例 前の仕事(本人の記載) 入り方 入社後に戸惑ったこと・その後
事例1 新卒で営業。次の職場でWeb担当 小規模な制作会社へ 転職を重ねて、Webディレクター歴10年以上に
事例2 接客業を10年以上 Webデザインを学び、ディレクターとして入社(2024年2月) 仕事の範囲や専門用語が分からず不安。5か月で企画から納品まで担当
事例3 グラフィックデザイナー、広告のアートディレクター、印刷の制作ディレクター(30代) 未経験可で、過去の経験を活かせる会社へ Webの用語やツールに苦戦。2か月時点で研修と学習中
事例4 前職の記載なし(34歳) スクールとポートフォリオ。約30社に応募し、書類通過は3〜4社 入社2週目にお客さんとの打ち合わせと提案書づくり
事例5 専門商社の営業・事務 広告代理店へ CVRなどの用語に苦戦。4か月で新規ページの進行や改善まで担当
事例6 証券会社と広告企画会社で営業を計5年半 入社前にHTML・CSSを学び、未経験可の制作会社へ 1か月は細かな作業が多く、想像より地味で静かな環境
事例7 高卒のフリーター 職業訓練を経て、デザイナーとして時給1,000円で入社 1〜2か月でディレクター業務も。約3年後に大手のインハウスへ
事例8 異業種(前の職種の記載なし) Webディレクターとして転職 用語や資料の完成の基準が分からず一人で抱えた。早めに確かめるように変えた
事例9 印刷物や雑誌の編集が中心(40代の終わりに転職) デジタル中心の会社へWebディレクターとして ツールや連絡のルール、SEO記事の評価の違いに戸惑い、若い同僚に確かめた

9人とも本人のnoteの本文を確認しました。仕事の内容・応募数・収入は本人の申告で、独自には確認していません。9人のうち5人の記事は、採用や宣伝と関係があります(事例1・3・8は勤め先の会社の公式note、事例4はスクールの企画記事、事例7は有料記事への誘導)。事例3は制作ディレクションの経験が11年あり、事例9は編集の経験があって、Web業界は未経験でも、仕事そのものが完全な未経験というわけではありません。9人とも仕事を続けている人の振り返りです。

事例1:営業からWeb担当を経て、ディレクター歴10年以上に

筆者は新卒で営業職に就き、ノルマのある仕事を長く続けられるか悩んだといいます。次の職場でWeb担当としてサイトの運用を任されたことからWebに興味を持ち、未経験でWebディレクターを目指しました。[1]

小規模なWeb制作会社で中小企業のサイトを担当したあと、運用の案件や大手企業の案件にも関わるために転職を重ね、記事の時点ではWebディレクター歴10年以上で、企画から進行管理まで任されていると書いています。応募のときは、営業で身につけた調整や提案の力を強みとして伝え、自分で学んだ実績も見せることを勧めています。[1]

前の職場でのWeb担当の経験が入口になった例です。勤め先の会社の公式noteに掲載された記事で、採用広報の面があります。2025年5月の投稿です。

事例2:接客業10年以上から。最初は仕事の範囲も用語も分からなかった

筆者は接客業を10年以上続けたあと、2023年6月からWebデザインを学び、デザイナーを目指して転職活動を始めました。一度は内定を得たものの辞退し、2024年2月にWebディレクターとして就職したといいます。[2]

入社直後は、仕事の範囲、法人のお客さんとのやり取り、専門用語が分からず不安が大きく、少人数の制作会社では自分で調べて動く必要があると感じたそうです。5か月後には、サイト制作の補佐や主担当、営業、提案や見積もり、保守、デザイン、外注の手配などを経験し、企画から納品までの担当や、自分の提案での受注を通じて自信がついたと書いています。[2]

少人数の会社では、ディレクターの仕事の範囲がとても広かった例です。入社5か月時点の振り返りです。2024年8月の投稿です。

打ち合わせで相手の話を聞きながらノートにメモを取る手元
打ち合わせで話を聞く場面のイメージ(AI生成画像)

事例3:制作ディレクションの経験はあるが、Webは未経験。用語とツールに苦戦

筆者は30代で、グラフィックデザイナーを2年、広告代理店のアートディレクターを7年、印刷会社の制作ディレクターを4年経験したあと、Webディレクターに転職しました。Web制作の知識はほとんどなく、求人の実務経験の条件にぶつかったため、未経験可で、過去の経験を活かせる会社を探したといいます。[3]

入社2か月の時点では、研修でHTMLとCSSのコーディングを体験し、用語やツールに苦戦しながら、本や学習アプリ、コミュニティで学んでいると書いています。[3]

制作の進行の経験があっても、Webの知識は入社後に学んでいた例です。転職先の会社の公式noteに掲載された記事です。2024年1月の投稿です。

事例4:34歳。約30社に応募し、2か月で内定

筆者は34歳で、Web業界もWebディレクターも未経験でした。Webスクールに通いながら制作会社で職場体験をし、ポートフォリオをPDFでつくってからサイトにしたそうです。準備には約2か月かかったといいます。[4]

2023年9月末から応募を始め、本人の申告では約30社に応募して書類が通ったのは3〜4社、応募開始から2か月で希望の会社から内定を得て、12月から働き始めました。会社選びでは給料より人間関係や環境を重視し、企業研究やカジュアル面談、スクールとハローワークの面接対策を使ったそうです。働き始めて2週目には、お客さんとの打ち合わせと提案書づくりを経験したと書いています。[4]

応募の数と準備期間が具体的に書かれている例です。スクールの企画記事で、うまくいった受講生の例として書かれている点に注意してください。2023年12月の投稿です。

事例5:CVRやCPAが分からなかったが、4か月で進行管理や改善を担当

筆者は専門商社の営業・事務から、広告代理店のWebディレクターに移りました。最初はCVR、CPA、CTRなどの用語に苦戦したといいます。[5]

4か月の時点で、サイトの修正やLPの改善の進行管理に加えて、新しいLPやページのヒアリング、日程管理、構成、改善のためのテストまで担当するようになったそうです。新しい案件のたびに担当したいと伝えた結果だと書いています。仕事量が多く処理しきれないときもある一方、仕事の満足度は高く、転職してよかったと振り返っています。[5]

自分から担当を希望して仕事の幅を広げた例です。入社4か月時点の振り返りです。2025年12月の投稿です。

色付きの付箋を並べたスケジュールボードを指さす手元
付箋で進行予定を整理するイメージ(AI生成画像)

事例6:入社前にHTML・CSSを学習。1か月目は想像より地味だった

筆者は証券会社で4年半、広告企画会社で1年、どちらも営業を経験し、専門的なスキルを身につけたいと考えて、未経験可のWeb制作会社に移りました。入社前には、HTMLとCSSのオンライン教材を3周し、PhotoshopとIllustratorにも触れたといいます。[6]

入社1か月では、サイトの構成表づくりや更新・修正など細かな作業が多く、想像より地味で静かな環境に戸惑ったそうです。一方、HTMLとCSSの基礎知識が実際の作業に役立ち、性格の面でも仕事の面でも向いているかもしれないと書いています。[6]

入社前の基礎学習が、最初の作業に役立った例です。入社1か月時点の感想で、2020年当時の1社の環境です。2020年11月の投稿です。

事例7:デザイナーとして入り、1〜2か月でディレクター業務も。約3年後に大手へ

筆者は高卒でフリーターとして働き、月収は普段15万円以下で将来が不安だったといいます。ハローワークの4か月のWebデザインの職業訓練で、HTML、CSS、Photoshop、WordPressを学び、中小のWeb制作会社にWebデザイナーとして時給1,000円で入りました。[7]

接客やお客さんとのやり取りの経験を活かして、1〜2か月でディレクター業務も担当し、約3年間、ディレクター・デザイナー・コーダーを兼ねて働いたそうです。その後、スカウトを受けて大手企業のインハウスのWebディレクターに転職し、本人の申告では年収は制作会社のころの約320万円から約500万円になったと書いています。[7]

デザイナーとして入り、人とのやり取りの経験からディレクターの仕事に広がった例です。金額は本人の申告で、相場を示すものではありません。記事の最後に有料記事への誘導があります。2026年5月の投稿です。

コードエディター風の画面を表示したノートPCと開いた白紙のノート
パソコンを使って学習する場面のイメージ(AI生成画像)

事例8:分からないことを一人で抱え、資料が方向違いに。早めに確かめるように

筆者は異業種からWebディレクターに転職し、1年目を振り返っています。入社したころは、専門用語や資料の完成の基準が分からず、質問すると迷惑になると考えて一人で抱えていたそうです。[8]

依頼の意図を確かめないまま提案資料を作り、方向が違っていたうえに提出も遅れ、上司が作り直すことになったといいます。それをきっかけに、調べても判断できない点は早めに伝え、構成案や8割ほどの段階で方向を確かめるようにしたそうです。本人によると、上司からはその確かめ方を前向きに受け止められ、1年後には分からないことへの対応や相談を、前より落ち着いて考えられるようになったと書いています。[8]

分からないことを抱え込んだ失敗から、確かめるタイミングを早めた例です。会社のnoteに掲載された社員本人の記事で、採用広報の面があります。筆者名や前の職種は書かれていません。2025年5月の投稿です。

事例9:40代の終わりに、印刷物や雑誌の編集からWebディレクターに

筆者は40代の終わりに、印刷物が中心の仕事から、デジタルが中心の会社にWebディレクターとして転職し、投稿の時点では50代で、2年間を振り返っています。[9]

1年目の前半は、会社ごとのツールや連絡のルールの違い、LPの作り直し、思うように進められなかった印刷物の制作に苦戦し、自分から若手に話しかけたそうです。後半はSEO記事の制作が増え、雑誌の編集とは違う評価や制作のルールに戸惑いながら、20代の同僚に確かめ、数をこなして理解を深めたといいます。1年目のうちに小規模なオウンドメディアの立ち上げを経験し、サイト制作をひと通り学べた感触を得たと書いています。[9]

編集の経験があっても、Webの評価や制作のルールは改めて学んでいた例です。2年を終えた時点からの振り返りで、成長は本人の評価です。2025年6月の投稿です。

9人の体験から編集部が整理した、未経験から入るときに見えた点

9人の記事を並べると、次の5つの点が見えてきます。これは編集部が整理したもので、9人全員がすべてに触れているわけではありません。また、9人の記事だけで、何が採用の決め手になったかを断定することはできません。

  • 前の仕事のやり取りや段取りの経験:事例1は営業の調整力や提案力を強みとして伝え、事例7は接客やお客さんとのやり取りの経験からディレクター業務に広がり、事例3は制作ディレクションの経験を活かせる会社を選びました。[1][3][7]
  • 専門用語とWebの基礎:事例2・3・5・8は用語に苦戦し、事例6は入社前のHTML・CSSの学習が役立ったと書いています。[2][3][5][6][8]
  • 仕事の範囲の広さ:事例2は営業や見積もり、デザイン、外注の手配まで、事例7はデザイナー・コーダーも兼ねていました。[2][7]
  • 想像や前の仕事との違い:事例6は、最初の1か月は細かな作業が多く、想像より地味だったと書いています。事例9は、雑誌の編集とは違うSEO記事の評価や制作のルールに戸惑いました。[6][9]
  • 分からないことを確かめる:事例8は構成案や8割ほどの段階で方向を確かめるようにし、事例9は若手や20代の同僚に自分から確かめていました。[8][9]

反対に、未経験でWebディレクターに応募した人のうち、どれくらいが採用されたかは、この9人の記事からは分かりません。応募の数が書かれているのは事例4だけです。Webデザイナーへの転職については未経験からWebデザイナーへ転職できる?、営業からWeb系に移った人の体験は営業からWebマーケティングへ進むには?も参考になります。

未経験からWebディレクターに応募する前に確かめたい5つのこと

ここからは、9人の体験を参考に編集部が整理した確認項目です。9人がこの5つを勧めているわけではありません。

未経験からWebディレクターに応募する前の5つの確認:前の仕事の経験の伝え方、Webの基礎と用語、担当する仕事の範囲、会社の規模と教え方、応募の準備期間
5つの確認のまとめ(編集部作成)
  1. 前の仕事の経験の伝え方:調整、提案、顧客対応、段取りなど、今の仕事で身につけたことをどう伝えるかを考えます。
  2. Webの基礎と用語:HTML・CSSの基礎や、よく使う用語を入社前にどこまで学んでおくかを決めます。
  3. 担当する仕事の範囲:営業、見積もり、デザイン、外注の手配まで担当するのかを、面接で聞いておきます。
  4. 会社の規模と教え方:少人数の会社では自分で調べて動くことが多かった例があります。研修や教えてもらえる体制を確かめます。
  5. 応募の準備期間:ポートフォリオや企業研究に、どれくらい時間をかけられるかを見積もります。

年代別の転職の体験は30代未経験からWeb系の仕事に就ける?や20代未経験からWeb系の仕事に就ける?でまとめています。

よくある質問

Webディレクターは未経験でもなれますか?

今回の9人は、未経験からWebディレクターになっています。ただし、事例3はWeb以外の制作ディレクションの経験が11年あり、事例9は印刷物や雑誌の編集の経験がありました。事例9は40代の終わりに転職しています。また、9人とも仕事を続けている人の体験で、採用されなかった人の体験は含まれていません。

未経験のWebディレクターは、入社後きついですか?

今回の9人では、専門用語が分からなかった(事例2・3・5・8)、仕事の範囲が広かった(事例2)、仕事量が多く処理しきれないときがある(事例5)、資料が方向違いで上司が作り直すことになった(事例8)と書いた人がいます。一方、事例2のように、数か月で企画から納品までを担当し、自信がついたと書く人もいました。

どれくらい応募すれば決まりますか?

応募の数が書かれているのは事例4だけで、約30社に応募して書類が通ったのは3〜4社、応募開始から2か月で内定を得ています。1人の例なので、一般的な目安にはなりません。

参照した本人記事

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